がんによる死亡の40%は予防できる? 米の研究結果をの専門家が解説
このような因子のいくつかは今回の研究でも触れられている。アウカーラゾ博士が教えてくれた改善可能なリスク因子は次の通り。 ・喫煙とさまざまな形態のタバコの使用 肺がんのリスクは、一日に吸うタバコの本数と生涯の喫煙期間に応じて増加する。研究によると、50種類以上の発がん性化学物質ががんに関係していることが分かっています、とアウカーラゾ博士は話す。 ・食事 赤身肉や加工肉が多い食事は、保存料として加工肉に添加される化学物質を通じて発がん性(がん形成)やDNA損傷に関与します、とアウカーラゾ博士。「さらに、赤身肉は発がん性を高める可能性があるヘム鉄を豊富に含んでいます」。いっぽう、地中海式ダイエットのように野菜や果物を多く摂取する食事は、がん形成を防ぐことが示されています、と彼女は話す。 ・アルコール摂取 研究では、アルコール飲料の過剰摂取と、とくに口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肝臓がん、大腸がん、女性の乳がんのような特定のがんに因果関係があることが示されています、とアウカーラゾ博士。アルコール摂取による主要な代謝産物であるエタノールとアセトアルデヒドには発がん性があることが判明しています、彼女は補足する。 ・運動不足 身体運動によって、膀胱がん、乳がん、大腸がん、子宮内膜がん、食道がん、胃がんのリスクが低下することを示す強力なエビデンスが存在しています、とアウカーラゾ博士。しかし、運動とがんの関連性ががんの種類によってどう変わるのか、情報はまだ限られているそう。 ・肥満 過剰な体脂肪は、大腸がん、食道がん、腎臓がん、膵臓がん、女性の閉経後乳がんと子宮がんなど、複数の種類のがんのリスクを高めるという研究結果があります、とアウカーラゾ博士。「どのようにして肥満ががんのリスクを高めるのかまだはっきりとしていませんが、内臓脂肪による炎症が発がんにつながると考えられています」と博士は説明する。 ・紫外線 紫外線に過剰にさらされると、細胞のDNAが直接標的となり、DNAが損傷を受けます、とアウカーラゾ博士。「皮膚がんのおもな原因は太陽からの紫外線ですが、日焼けマシンによる過度な紫外線も有害となります」と博士は言う。そのリスクは肌の色素が薄い人ほど高いという。