ハイカーが殺到する低山登山を回避!? 実は多摩市だった超お手軽「諏訪ヶ岳」ご近所ハイクが思いのほか歩きごたえたっぷり
神奈川県で横浜市と並ぶ政令指定都市の川崎市は、2024年夏に市制100年を迎えました。北に東京都と多摩川、市内を東海道、中原街道、鎌倉街道が走る丘陵地帯が広がっています。その川崎市内にある山としては高津区と中原区の境井田山(標高33m)と多摩区生田緑地内にある枡形山(標高84m)そして同市北西部の麻生区にある黒川よこみね緑地からアプローチとなる諏訪ヶ岳(標高144.5m)と言われています。 【写真】実は多摩市最高峰だった諏訪ヶ岳の魅力をチェックする(全12枚)
ビオトープのある緑地公園内にある山が最高峰
東京・新宿と神奈川・小田原を結ぶ小田急線はロマンスカーで鉄道ファンに愛される路線ですが、途中駅には東丹沢の大山へのアプローチとなる伊勢原、表尾根として人気の塔ノ岳や丹沢山の入口となる秦野、渋沢。清流が美しい西丹沢の新松田などの駅が並ぶ登山鉄道旅路線でもあります。そして黒川よこみね緑地へも小田急線が利用できます。 最寄駅は小田急多摩線はるひ野駅になります。閑静な住宅街が駅前から広がるニュータウンを抱え込む7.2haの広さの緑地公園です。都市緑地法により自然保護の保全地区に指定されたビオトープのある緑地公園は、東京都多摩市諏訪地区を走る多摩よこやまの道に隣接しています。所在地表記としては、川崎市麻生区はるひ野3丁目から5丁目にかかる一帯となっています。 はるひ野駅から右手に進み、住宅街を抜け丘を上がったところのサクラの広場から園内遊歩道をなぞります。同広場ではソメイヨシノやヤマザクラ、ウワズミザクラなどを季節で楽しむことができます。また野生の桜も混在しているそうです。 トレランの練習に足を運ぶ方々が多く見受けられる遊歩道は道幅も広く、クッションのある柔らかい土面で、小さなお子さん連れでも安心かと思います。途中の階段のある分岐から道は狭くなります。この道はどちらを選んでも先で合流。緩やかな傾斜の先に雑木林に囲まれた広場が出現します。その広場が諏訪ヶ岳山頂です。
行って驚く東京都多摩市が管理する山頂広場
山頂広場はソコソコの広さ。クルマ 6~7台分が置けそうな規模といえばわかりやすいでしょうか。コナラの木々は背を伸ばし陽射しを微妙にコントロールしてくれます。一方で放置しておくと伸び放題になるアズマササは丈を短く刈り込むなど、目線位置をすっきりすることで見通しも良く、訪れる人々にくつろぎの空間を提供してくれています。休憩用の土管風ベンチも景観にマッチしています。山頂碑は目立つようにサークル状に設えられ、中央には三角点が置かれています。 さて同緑地は川崎市の西端にあり、東京都多摩市諏訪地区が隣接しています。また同緑地内の一部を走る多摩よこやまの道は、詳細地図などで確認すると同緑地に沿うように多摩市内を走っているのがわかります。そして驚くことに諏訪ヶ岳山頂は多摩市内のルート上にあります。 山頂広場の説明板にも「ここ諏訪ヶ岳(標高144.5m、東京都多摩市)~」と記述されています。では実際の川崎市の最高峰地点はどこにあるか。山頂より少し先に進んだ川崎市水道局の取水施設内にあるようです。川崎市最高峰と呼ばれるに至った経緯はともかく、今では川崎市の最高峰として訪れ、山頂碑の可愛いイラストに会いに来る人も多いようです。 ビオトープの緑地公園の雑木林には鳥の巣箱も多く取り付けられています。鳥の囁きに耳を傾けるのも、近隣の喧騒とは一線を画す心地よさです。訪れる人々が多いのも頷けます。ちなみに東京都多摩市の最高峰はサクラの広場から反対方向に遊歩道が伸びる天王森公園にあります。標高は161.7m。そして東京都の最高峰は奥多摩の雲取山2017mです。
ソトラバ編集部