居酒屋の喫煙所で火事が発生した場合、賠償金を請求されることはある?
近年、居酒屋では禁煙店舗が増加したり、徹底した分煙が進んだりしているため、愛煙家の方にとっては居心地が悪くなっています。お酒を嗜(たしな)むとついついタバコも進んでしまうという方もいるでしょうが、お酒の席ではタバコの火の始末に注意が必要です。 今回は「もしも居酒屋の喫煙所で火事が発生したら」というケースを想定し、考えられる事態を紹介します。 ▼町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われた! 本当に従う必要はあるの?
根拠となるのは「失火責任法」
喫煙所で起こった火災の責任問題については「失火責任法」と「民法第七百九条」が関連しています。失火責任法では「民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス」といった文言が記載されています。 該当する民法第七百九条には、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」という旨が記載されています。 ■重過失とは? 失火責任法で見られる重過失は、明らかにその事態に対して顕著な責任が見られることを指しています。そのため、居酒屋での火災が「喫煙者が明らかに悪い」と判断された場合は責任問題に発展する可能性があります。 ■客側に重大な過失があると認められた場合は責任を追う必要も 喫煙所での火災は、一見お店側が責任を負う必要があると考えられます。しかし、火事の発端が客側にある場合は、多額の賠償責任が発生する可能性もあるでしょう。
もしも自分の過失で1000万円の賠償金が発生したら?
タバコの火の不始末で、仮に自分に1000万円の賠償責任が発生したことを考えてみましょう。生活は一変し、以下のような事態が考えられます。 ●支払いが困難になり債務整理が発生する ●家や車、資産を失う ●周囲との関係性が悪化する ●仕事や家族を失う 賠償金が発生するほどの火災では、メディアで報じられ身元が特定される可能性もあるでしょう。そのため、賠償金を支払うだけでなく、人生そのものに支障が生じる可能性もあります。 周囲との関係性が悪化すると、家族と離れることになったり仕事を失ったりして、生活に困窮する未来も想像できます。このように、火災は人生を一変させてしまう恐れがあるため、タバコを吸う際は火の後始末に注意が必要です。