井上、八重樫に異例の檄!「内山の再起を促すような試合をせよ!」
ボクシングのダブル世界戦(8日・有明)の調印式並びに記者会見が6日、都内のホテルで行われた。WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(大橋)は、同級1位のダビド・カルモナ(メキシコ)を迎えてのV2戦。IBF世界ライトフライ級王者の八重樫東(大橋)は、同級10位のマルティン・テクアペトラ(メキシコ)を迎えての初防衛戦となる。 所属ジムの大橋秀行会長は会見で、先日、衝撃KO負けでV12に失敗した前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志(ワタナベ)の進退にふれ、「日本のボクシング界を引っ張ってきた内山選手が負けてボクシング界が暗くなった。その暗さをふっとばし、内山が2人を見て、また戻ってきたくなるようなわくわくするような試合を見せて欲しい」と異例の指令を出した。 前全日本、東日本ボクシング協会会長として、内山のリング内外における奮闘ぶりを見てきた大橋会長ならではのジムの壁を乗り越えての異例の檄。内山の気持ちは、すでに再起へと傾いているが、個人的に関係の深い2人の世界王者のファイトが、その決意を決定的なものにすれば、と間接的エールを送ったのだ。 八重樫は拓大ボクシング部の内山の後輩。 「内山先輩には、いろんな思いがあります。もし試合を見てもらえるなら先輩の刺激になるような試合をしたい。拓大魂を見せたい」 その激しいファイティングスタイルから激闘王と呼ばれる男は、大橋会長の指令にこう応えた。 挑戦者のテクアペトラは、好戦的スタイルで、打たれ強さが売り。激しいファイトが予想されるだけに、内山の闘争心に火をつけるには、最適なのかもしれない。 「打ち合い? ふたを開けるとそうなるんですかね? リングの上での風を感じて戦いたい。どんな形であれ結果を残すことが一番。初防衛戦であろうが、いつも僕の後ろには道がない。がけっぷち、追い込まれている」 井上尚も、拳の手術に悩んでいる際、同じような症状からの手術経験者の内山に直接電話をかけて相談している。 「あのとき、内山さんが手術を薦めてくれて、決意ができた。ぜひリングに戻ってきて欲しいが、明日の試合は、それとは関係なく、自然体で、自分のボクシングをしたい。年末よりも進化した試合をみせたい」