「延期します」 高速道路の「新たな深夜割引」システム追い付かず “強行するとマズイ”理由とは? 不確実で不安な新料金制度
「走ったぶんだけ割引」にもならない不確実さ
利用車の走行スピードを把握することは、もう一つの課題である労働環境の改善にもつながると、高速道路会社は考えました。 職業ドライバーの連続運転時間は4時間以内です。現行の深夜割引はいちど割引時間帯に乗り入れてしまえば対象時間帯を気にする必要はありませんが、次からは対象時間帯だけしか割引対象にはなりません。そのため次の“上限”を設けています。 まず対象時間が7時間(22時~翌5時)に広がるため、連続運転の上限を超えて運転することの防止策として、4時間30分以上の走行では30分間を休憩時間とみなし、割引対象から外すことにしました。 さらに、車種別の法定速度を考慮し、1時間あたり大型車以上の貨物車は90km、それ以外の車両は105kmという割引上限距離を設定し、過重運転の防止に配慮しました。 利用車からすれば、最高時速が120km/hに設定された区間でも割引上限距離が同一に設定されていることには違和感を覚えますが、計算処理のための変数をできるだけ少なくする、という配慮だったのかもしれません。 走行環境に左右される新しい深夜割引制度は、そのため従来のように割引額が即時に決済されません。いったん正規料金で支払った後、クレジットカードなどの請求日に合わせて割引額を還元する形です。12月25日の発表では、あわせて深夜割引額のシミュレーションサイトも公表されました。 深夜に走る場合は、走行前に割引額を確認しておくことが必要になってきます。 ※一部修正しました(1/6 11:12)
中島みなみ(記者)