カブトムシやクワガタに会いたい!知っておきたい「甲虫採り」3つの基本とは
虫採り遊びのなかでも、とりわけ強烈な興奮を味わえるのがカブトムシとクワガタムシ。3つの基本を頭に叩き込み、さあ雑木林へ! 【写真17枚】甲虫に人気の樹木ベスト7、出会える時間帯とは。カブトムシとクワガタムシなど甲虫採りの様子を写真で見る
甲虫採り基本のき。生態を理解すれば必ず採れる!
「カブクワ(カブトムシ&クワガタ)採りには自然遊びの基本が全部詰まっているよ。今も最高の遊びだけど、昔ほど簡単じゃない。頭を使わないとね」 こう語るのは本誌でもおなじみの野遊び名人、奥山英治さん(ハローウッズ・スタッフ)。 難しくなっている原因のひとつは、カブクワが好むクヌギやコナラ林の老化だ。以前は炭を焼くため定期的に伐ったり、集めた落ち葉を積み上げ堆肥を作ったりしていたが、そうしたことが行なわれなくなっていった。 「カブクワの集まる樹液は若い木のほうが出る。老木は樹皮が厚いからか、あまり樹液が出ないんだよね」と奥山さん。 周辺農地で長年使われてきた農薬の影響も無視できない。そもそも樹液はなぜ出るのか? 「カミキリムシやボクトウガの幼虫が幹に穴をあけるから。傷から糖を含む樹液がしみ出るわけだけど、きっかけを作るこういう虫も減っている気がするね」 異常気象や幼虫を食べるイノシシの増加なども重なり難しさを増すカブクワ採り。だが、生態を理解すれば必ず採れる。ハナからあきらめずまずは挑戦だ。 樹液はシロスジカミキリなどがあけた穴からしみ出す。発酵臭に誘われたスズメバチなどが傷口を広げることでカブクワも集まる。
ポイント 1 昆虫酒場を探せ!
◆樹液はなぜ出る? 強いあごでかじって傷口を広げるスズメバチは、いわば酒場の呼び込み屋。 シロスジカミキリなどの幼虫があけた穴からしみ出た樹液は糖を含み、野生の酵母や酸生成菌により発酵。生じたアルコールや酸のにおいが、カブクワをはじめさまざまな昆虫を呼び寄せる。 クワガタのメスは小さなアゴで自ら樹皮を傷つけ吸液する。そのため、樹皮が薄い枝に集まる傾向がある。 ◆甲虫に人気の樹木ベスト7 最近、NHKの自然番組で話題になったのがシマトネリコに集結するカブトムシの謎。"樹皮が薄くカブトが自力で傷をつけて樹液を出せるため"が答えだ。 ◎クヌギ ◎コナラ ◎ヤナギ ●ハルニレ ●シマトネリコ ●シラカシ ●サイカチ ※◎はよく集まる。 ●は比較的集まる。 ◆クワガタ限定の技 いなかったら蹴ってみる 幹から樹液が出ていなくてもあきらめないこと。クワガタは前述のとおり、高い枝にいる確率が高い。かかとに力を入れて幹を蹴ると、振動に反応して落ちてくる。 クワガタは危険を感じると脚を縮め落下する(カブトムシは落ちない)。落ちた場所をよく見ておいて拾おう。 1本の木を蹴っただけでこんなに落ちてきた(ノコギリクワガタ)。「蹴りは思いきりね。練習もしておこうぜ」(奥山さん) 涼しい地域に多いミヤマクワガタ。「最近減ってる気がする。温暖化の影響かな」