「もしかして不倫してる?」夫は隠しているつもりでも、妻はごまかせない。「オンナの勘」以外で、不倫の証拠を見つける場合って?
夫のカード明細に記されていたのは……
胡桃さんは見てはいけないと思いつつ、そのときは「女の勘」が働きました。台所に戻り、ゴム手袋を両手にはめて、封筒の中身を確認。そうすると支払い先に旅館の名前を発見したので、「おかしい」と思ったそうです。なぜなら、夫がアウェイ先に遠征する場合、宿泊するのはビジネスホテルだからです。その金額が46,780円。楽天トラベルで確認すると、この金額の部屋はツインしかありませんでした。 胡桃さんは最初、「サポーターの友達と泊まったのかな」と思ったのですが、全く同じ金額のツインは露天風呂付き。とても男友達と一緒に過ごす部屋ではありません。そもそも夫が二人分の料金を払うのは不自然です。こうして胡桃さんは「女の人と泊まったのかもしれない」と疑うようになりました。 ところでソニー損保が公表している「全国カーライフ実態調査(2023年)」によるとドライブレコーダーの搭載率は52%。今回の遠征は車移動でしたが、夫の車もドラレコが搭載されているそう。そこで胡桃さんは夫が不在のとき、車内に入り、ドラレコからSDカードを抜き、自宅のパソコンで再生しました。 夫の車のドラレコは前方だけ。そこには楽天トラベルで調べた旅館に駐車している様子が映っていたのですが、それだけではありません。旅館に到着するまでの間、助手席の女性と楽しく話している様子まで。胡桃さんは「姿は分かりませんが、女性の声でした」と言います。 ドラレコの映像はデータが上限を超えると古い映像が新しい映像に上書きされますが、夫が使っていたのは64GBのSDカード。12時間しか記録できませんが、夫は平日、電車で通勤する休日ドライバーだったことが功を奏しました。これは2ヵ月前の映像でしたが、まだSDカードに記録されていたのは不幸中の幸いでした。筆者が胡桃さんとリモートで相談したのは、まだ不確かな証拠しか揃っていない段階でした。 胡桃さんは「今すぐ動きたいのはやまやまなんですが…」と苦しい胸のうちを明かします。例えば、相手の女性と直接話したい、謝って欲しい、夫と別れて欲しい…しかし、この段階で表立って動かなかったのは、まだ夫のことを信じる気持ちを捨てきれなかったからです。もし、無断でクレジットの明細を見たことを責められ、夫の機嫌を損ね、胡桃さんのことを詮索してくるようになったら…今まで12年間、築き上げてきた心地よい家庭が台無しになります。 胡桃さんは「何もせず、主人がその女性と自然に消滅してくれたらいいなぁって。甘すぎますか」と言います。 不倫の男女はいつ終わるか分からない不確かな関係です。遊びなら飽きたら終わりだし、本気でも結婚できるわけでもなく、宙ぶらりんなまま。先が見えないことに女性が愛想を尽かしたり、「奥さんとどっちが大事なの!」と詰め寄る女性に夫が手に負えなることも。そこで筆者は自然消滅する可能性は十分もありますよ」と慰めました。 そのため、胡桃さんはいろいろ考えた末、いったん女性への怒りを押し殺し、事を荒げず、様子見をすることにしたのです。 本記事では、お互いの自由を尊重してきた心地いい結婚生活12年が、1枚のクレジットカード明細で崩壊の危機に瀕している胡桃さんご夫婦についてお伝えしました。 ▶続きの記事では、 クレジットカードの明細とドラレコの音声が見つかり、もっと確実に夫の「疑惑」を立証できるものはないかと、さらにさぐりを入れる胡桃さんとその後についてお届けします。
男女問題専門家(行政書士、ファイナンシャルプランナー) 露木幸彦