加部究のフットボール見聞録「世界と乖離している日本の育成年代の〝理不尽〞」
鬼コーチの罵声より、サッカーをさせるほうがはるかに効果的
コンディショニングコーチのフェルハイエン。日韓ワールドカップではヒディンク監督の右腕として韓国代表を4強に導いた。(C)SOCCER DIGEST
セピアに色褪せた記憶だが鮮明に残っている。中学入学とともに陸上部に入り、いきなり1500メートルを走らされた。そんな長い距離をどんなペースで走れば良いのか見当もつかなかったが、幸か不幸か互角の相手がいて土壇場まで競り合った。 ゴール後は、いわゆる「ケツ割れ」の状態に陥りのたうち回った。こんな苦しい種目は2度とやらないと誓った。 以後陸上のトレーニングでは、自己制御をするようになった。インターバル走や、短い休憩を挟み一定の距 離走を繰り返すレペティションに臨む際も、ある程度の余力を残し計算して走った。 基本的にサッカーの試合をするようになったのは、会社を辞めて30歳前後からである。だが定期的にプレーをしていても、必ず最後は足がつる。ただしサッカーでは苦しくての たうち回る経験はない。それどころか楽しくてもっとプレーをしたいのに、足が言うことを聞かなくなるから仕方なく断念す
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