WBCに米ファンは関心薄?!決勝券よりメジャーOP券の方が人気で高価現象
すでに組み合わせが決まっているWBC第1次ラウンドでは、対戦カードによって売買価格はバラバラだ。 マイアミで3月9日から開催される第1次ラウンドのプールCで戦うのは、カナダ、米国、コロンビア、ドミニカ共和国の4チーム。ここでも、チケットはパッケージ販売されていて、6試合全て観戦できるもの、国別に購入する3試合パックがあり、いずれも、オリジナル価格は共通で、最も安い外野席が1試合あたり10ドル(約1150円)、最も高い席が内野席で1試合あたり35ドル(約4000円)。 バックネット真後ろの席は公式ホームページからは購入できないが、チケット売買サイトのスタブハブでは、取引されていて、3月10日のコロンビア対米国は12ドル(約1400円)から、バックネット裏の299(3万4000円)ドルまで。3月11日の米国対ドミニカ共和国は50ドル(約5800円)からで、ブルペン後方の席が最高額の988ドル(約11万円)となっている。 米国と前回大会優勝のドミニカ共和国という期待の好カードでは、定価を大きく上回っているが、その他のカードは転売市場で値が上がっているというわけでもないようだ。 メジャーリーグ公式ホームページでは昨年末からトップ扱いでWBCのチケット購入キャンペーンを展開している。にもかかわらず、オープン戦の人気カードと比べると苦戦していることがうかがえる。 2013年の前回大会の決勝は、サンフランシスコのAT&Tパークでドミニカ共和国とプエルトリコの間で争われ、ドミニカが初優勝したが、観客は35,703人で、満員御礼とはいかなかった。 もし今大会も興行的に成功を収められない場合は、大会そのものが消滅する可能性もとりただされている。 2006年から「野球の世界一決定戦」と銘打たれてスタートしたWBCは、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会が一緒になって立ち上がったイベントで、メジャーの国際化に伴いマーケットの拡大が目的とされていた。大会は、各国から集められたスポンサー料、放映権料、ロイヤルティーなどで運営され、収益はWBCの大会運営会社に一括で管理され各チームへ再分配されてきたが、その利益分配のパーセンテージを巡って紛糾。しかも、第1回、2回の優勝は日本で、第3回はドミニカ共和国が優勝するなど、アメリカが過去一度も決勝進出ができていないことも手伝ってアメリカでの観客動員、視聴率なども振るわず、大物メジャーリーガーの参戦が少なくて米国でのファンの関心も高くなかった。今大会もファンの関心が増え、収益が上がらない場合、次大会はもう打ち切りになる可能性が大きくなっているという。 果たしてスケジュールを大きく変更、決勝ラウンドでの選手入れ替えを可能にするなど、大物参加を可能にするように配慮された今大会では、米国の野球ファンをどれほど引き寄せることができるのか。このままでは、WBCは人気球団のオープン戦に及ばないという最悪の事態に陥りそうだ。 ちなみに日本で行われるプールBの1次リーグのチケット定価は、開幕の日本対キューバ戦は、最も高価なダイヤモンドボックスが35000円、ネット裏のS指定が16000円、一番安いC指定で4000円となっている(立ち見は2000円)。プロ野球のレギュラーシーズンに比べて高額設定だが、初動の売れ行きは順調だという。