FOOD展で給食向けの新しい洗浄機が多数展示、洗浄力向上、省エネ、省スペース、作業環境改善も
FOOD展2024が10月9~11日にかけて、東京ビッグサイトで開かれた。給食・大量調理や食品衛生、食品工場設備、食品物流などに関連した179社が出展し、最新の製品・サービスを紹介した。中でも、厨房設備機器の展示で目立ったのは、洗浄効果や省エネ、省スペースなどに配慮された給食向けの新しい洗浄機だ。 学校給食や社員食堂給食、病院給食などの厨房施設で使用される洗浄機には様々な課題があるという。大量に一度の給食用食器を洗浄するため、洗いもれや汚れが残ってしまうことや、ガス・水道・光熱費の上昇で洗浄機にかかる費用が上がっていること、給食施設の中で広い敷地面積が必要なこと、さらには、高温多湿な労働環境であることなど多岐にわたる。そうした課題を解消する新しい洗浄機をいくつか紹介する。 タニコーは、新型食器洗浄機「バブルウォッシュプロ~泡洗浄システム~」を展示した。 学校給食の食器洗浄は、洗浄カゴに入った食器を隅々まで洗いにくいという課題があった。そこで、もっと効率良く、確実に洗浄するため、“マイクロナノバブル”という微細な泡を採用し、ゆっくり漬けながら泡で汚れをしっかり浮かすことで洗浄効率を高めた。また、カゴごと洗浄できる“水圧離間式洗浄機”によって食器の出し入れが不要となり省力化を実現。異なる角度で洗浄水を当てることで、カゴに入ったままの食器にも高い洗浄効果を発揮する。 さらには、上下に動く昇降式の予洗いユニットの採用で、槽をコンパクトにし設置に必要な面積を削減。学校給食施設では、洗浄室と食器保管スペースで施設全体のおよそ3分の1を占めるため、洗浄室の面積をコンパクトにしたい施設は多い。本来一番重要である調理スペースに余裕を持て、動線も確保できることから作業がしやすくなり、安全性も高まる。
AIHOは、ランニングコストを削減し、作業環境も改善する「高効率食器洗浄機WHP」を展示した。 使用水量をモニタリングし、必要な量だけ給水する管理システムを導入することで、省エネを実現。300床規模病院の洗浄機では毎分約36リットルの水量を使用するが、この洗浄機だと約6リットルまで削減するという。余分に給水していた水の昇温に費やすガス・電気・蒸気などや洗剤も不要となり、年間のランニングコストを削減する。また、洗浄作業には、お湯を使用するため、洗浄機から廃熱や湯気がもれて高温多湿空間になり、調理員にとって辛く、夏場には熱中症を引き起こす場合があることも課題だった。そこで、廃熱や湯気を漏らさない構造にすることで、作業環境も改善した。
日本調理機は、洗浄力向上と省エネを実現した「高効率フライトタイプ食器洗浄機DWFT」を展示した。 新型のフライトコンベヤを採用することで、今までラックを使用して洗浄していた小皿が、ラック不要で洗浄可能になった。また、ホテルパンやシートパンは立てて洗うことができ洗浄能力が向上。槽容量を従来機より約60%削減することで、消費電力を約35%削減。仕上げ時のダブルリンス方式を改良し、仕上げ給湯量を約40%削減した。さらに、洗浄機本体を二重構造にすることで、輻射熱と運転音を減少。湯気抜き煙突や天井ダクトを採用することで、洗浄室の作業環境も改善した。
食品産業新聞社