【キャンパスと大学選び】「めっちゃ山の上にある」キャンパス、それでも…都心部の志願者を集める大学
メリットは?
――街中から離れた場所にキャンパスがあるメリットは、何だと思いますか? 勉強の時間とリフレッシュの時間を切り替えやすいことですね。学校周辺に寄り道をするようなところはないので、学期中は勉強を頑張ろうという気持ちになれます。そのぶん、休みになると旅行やショッピングに出かけて、思い切り楽しみます。勉強も遊びも全力で、というのがAPU生のスタイルです。 また、友達とのつながりは、こういう立地だからこそより一層強くなりました。特に1年生のときは寮に住んでいたので、共同キッチンで一緒に料理をしたり、体調が悪くなったときに友達がお粥を持ってきてくれたり、国際学生がホームシックになったら、出身国の料理が食べられるレストランを探して一緒に行ったりしました。学校の周りに娯楽施設や息抜きスポットがたくさんある場所だったら、みんな過ごし方もバラバラで、ここまで仲良くなれなかったかもしれません。
APUの特徴の一つは、入学して1年間、国際学生と日本人学生がAPハウスと呼ばれる国際教育寮で共同生活することです。言語も文化も生活習慣も違う人たちと共同生活する機会があることで多様性への理解が深まるだけでなく、寮生の世話をするレジデント・アシスタント(RA)などさまざまな役割が割り振られ、リーダーシップ力が育成されると言われています。国際寮の教育効果に最も早く気付いたのがAPUで、その後、国際教養大学をはじめ、各大学に広がっていきました。 また、授業は90%以上の科目が日本語と英語の2言語で開講されるほか、各国の伝統舞踊や音楽、料理などを紹介する「マルチカルチュラル・ウィーク」が夏と冬にあり、「インドネシアウィーク」「ベトナムウィーク」など国・地域ごとに週替わりで開催され、多くの別府市民も各国の文化を楽しみます。運営はすべて学生に任されています。 キャンパスが都会から離れた場所にあるにもかかわらず、こうした特徴的な教育環境が首都圏から学生を集める要因になっているようです。
朝日新聞Thinkキャンパス