世界中から醸造家が移住している注目のカナダ。そのワインの実力とは。おすすめワイナリー4選も
およそ北緯43度に位置するカナダ・ナイアガラ地域。夏は涼しく、冬は冷えすぎないぶどう作りに適した環境と肥沃な土壌はリースリング、シャルドネ、ピノ・ノワール、カルベネ・フランの栽培に適し、上質なワインが次々と生まれている。 【写真15点】おすすめナイアガラ・ワイナリー4選
50を超えるワイナリーが点在するナイアガラ地域
トロントからクルマで南西に約1時間半の場所にあるナイアガラ半島は、カナダ最大のワイン造りの生産地域。緩やかな丘陵地いっぱいにぶどう畑が広がり、50を超えるワイナリーが点在する。 カナダワインといえば、冬の気候を活かしたアイスワインが真っ先に浮かぶが、魅力はそれだけにとどまらない。特にここ数年、ピノ・ノワールのクオリティの高さは世界的にも評価され、ワイン愛好家から熱い視線を集めている。 その理由は、トスカーナやブルゴーニュにごく近いと言われる気候と土壌。夏は涼しく、冬は冷えすぎない環境に加え、かつて周辺一帯は、海底だったとされ、ミネラル分が豊富な石灰岩質の土壌が繊細なピノ・ノワールの生育環境に適しているからだ。 他にも果実味とミネラル味、バランスの良い酸味で評価の高いシャルドネや成熟によってシルキーな味わいを生むカルベネ・フランなど、多品種が生産されている。 ただ、ワイナリーはいずれも家族経営が多く、少量生産のワインも少なくない。それらの多くは国内でのみ消費され、国外では流通しないため、希少性の高いラベルを味わうなら、現地を訪れる他にない。 古き良き面影を残すオールドタウン、ナイアガラ・オン・ザ・レイクを拠点にするのが正解だ。ワイナリー巡りを組み込んだレンタル自転車ツアーもあり、購入したワインは滞在するホテルにクルマで届けてくれる。 今回はその中でも選りすぐりの、ペアリングディナーもテイスティングも可能なナイアガラ・ワイナリー4軒を紹介する。
1.トリウス・ワイナリー
ナイアガラ・オン・ザ・レイクで40年にわたりワイン造りを行っているワイナリー。オンタリオ州の「ワインメーカーズ・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたこともある。ワイナリーツアーでは地下に眠るカナダ最大のスパークリングワインのセラーやワインの醸造工程を見学できる。 1989年から造り続けているカベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローをブレンドした「トゥリウス」がシグネチャーラベルだ。 トリウス・ワイナリー 住所:1249 Niagara Stone Road, Niagara-on-the-Lake, Ontario, Canada