ブラックロック、日本の不動産市場により関心-中国は投資戦略外
(ブルームバーグ): 投資運用会社最大手の米ブラックロックは、中国不動産セクタ-に対する投資家の顕著な信頼感回復と根本的な需給改善が見られるまで、同国不動産市場へのさらなる投資は控える方針だ。その一方で、日本やオーストラリア市場に対しては一段と関心を寄せている。
ブラックロックでアジア・太平洋地域不動産の責任者兼最高投資責任者(CIO)を務めるハミシュ・マクドナルド氏は24日、シンガポールでの会見で、「中国の不動産市場に実際に投資するには、まだ長い道のりがあるように感じる」と述べ、「中国は現時点で当社の投資戦略には含まれていない。なぜなら今のところ、高い流動性をもたらす売却に確信が持てないからだ」と説明した。
中国人民銀行(中央銀行)はこの日、今年の5%前後の経済成長目標の達成に向け、これまでで最も広範な景気刺激策を打ち出していた。マクドナルド氏のコメントは、世界の投資家の信頼を取り戻そうと、政策当局者が引き続き取り組む課題を浮き彫りにした。
マクドナルド氏は刺激策の不動産市場への影響について問われ、「私は外国資本が不動産に注目し、国内資本もそれを購入するのが見たい。現時点ではどちらのカテゴリーでも購入者は多くない」と指摘した。
さらに「中国はまだ机上から外されたわけではなく」、状況も急速に変化する可能性があるものの、ブラックロックは日本やオーストラリア、シンガポールなど中国以外の不動産市場により関心を寄せていることを明らかにした。
同氏は、顧客はグローバルポートフォリオの多様化を求めてアジア・太平洋地域に目を向けているのであり、「さらなるリスクを求めているわけではない」と述べた。
原題:BlackRock ‘Long Way’ From Investing More in China’s Real Estate
(抜粋)
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Low De Wei