年金だけで生活できる高齢者世帯は44%…【70歳代の夫婦世帯】平均貯蓄額は1757万円、年金収入はどれくらい?
2024年1月19日、厚生労働省は2024年度の公的年金2.7%増額改定を発表しました。 【写真4枚】「70歳代・二人以上世帯の貯蓄額」&「厚生年金・国民年金」平均月額の一覧表 しかし、物価上昇率を上回る水準でないことに加え、勢いが止まらない値上げにより、”年金増額”を実感できそうにありません。 こうした中、家計や気持ちを支えるのが「貯蓄」ではないでしょうか。 本記事では、多くの世帯が年金生活を開始していると考えられる70歳代の貯蓄事情を覗いていきます。 老後生活を支える「国民年金」や「厚生年金」の年金月額についても一覧表でご紹介していきますので参考にご確認ください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金だけで生活できる高齢者世帯は44%
厚生労働省が公表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、年金収入だけで生活している世帯は全体の44%と半数にも満たない結果となっています。 6割弱の高齢者が、年金収入だけでは毎月の生活費をカバーできていないことが分かります。 不足分は私的年金や貯蓄の取り崩し、労働収入、子どもからの仕送りなどによって補填していると考えられます。 では高齢者世帯は貯蓄をどれくらい保有しているのでしょうか。 次章で、70歳代の貯蓄額について確認していきます。
【70歳代夫婦】平均貯蓄額は1757万円・中央値は700万円
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。 ●【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値 ・平均:1757万円 ・中央値:700万円 ●【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表】(金融資産を保有していない世帯を含む) ・金融資産非保有:19.2% ・100万円未満:5.6% ・100~200万円未満:5.1% ・200~300万円未満:4.3% ・300~400万円未満:4.7% ・400~500万円未満:2.5% ・500~700万円未満:6.2% ・700~1000万円未満:5.8% ・1000~1500万円未満:10.2% ・1500~2000万円未満:6.6% ・2000~3000万円未満:7.4% ・3000万円以上:19.7% 70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円、より実態に近い中央値となると700万円まで下がります。 貯蓄額階層別の世帯割合を見ていくと、3000万円以上を有する人が19.7%と約2割を占めています。 一方で、19.2%が貯蓄ゼロという結果に。 70歳代ともなれば、すでに貯蓄の取り崩しが進んでいる世帯もあるでしょう。十分な貯蓄を確保できないまま老後を迎えた世帯も少なくないと考えられます。 貯蓄が少なくても終身で受け取れる公的年金だけで生活費をカバーできれば、最低限の生活は確保できるでしょう。 しかし、先述したとおり公的年金だけで老後生活を送る高齢者世帯は44%です。 厚生年金や国民年金は、ひと月あたりどれくらい受給できるものなのでしょう。 次章でシニア世代の年金月額をチェックしていきます。