「日本一美しい蒸留所で飲まない?」と誘われて「嘉之助蒸溜所」に行ってきた件
世界でも注目されている「クラフト・ジャパニーズ・ウイスキー」。そんな中でも焼酎作りのノウハウを活かした蒸留所があります。それが鹿児島に位置する「小正嘉之助蒸溜所」。日本一美しいと言われる蒸留所にて、学んで、見て、味わって、そして酔っ払って……ってな1日をご紹介させていただきます!
こんにちは! 酒の一滴は血の一滴、LEON編集部の赤松です! お酒は大好きなものの、それに伴った知識はごにょごにょ……と、感覚先行で酒好きを名乗っている私。エディターとしてこれではあかんと思っていた矢先にこんなお誘いがありました。 「日本一美しい蒸留所でウイスキー飲まない?」と。 素敵な男性からのロマンティックなお誘い……のような、蒸留所からの直々のお声掛け。ということで、学びに! 飲みに! 鹿児島へひとっ飛び~。
で、到着したのがこちら「嘉之助蒸溜所」。 訪れた人を迎え入れる形にしたい、という意図があり、コの字方の建物にしたそう。端の通路を歩いてエントランスへと向かいます。
建物に入り、蒸留所特有の香りに思わず声が出ました。甘酒に香ばしさを足したような発酵を感じる香りで私はもうそれだけで酔っ払いそうに(笑)。早く飲みたい! とワクワクしつつ、まずは蒸留所見学に向かいます。
冒頭でもお伝えしましたが、ウイスキー「KANOSUKE」を作っている母体はもともと焼酎を作っていたブランド。「メローコヅル」という名前に聞き馴染みのある方も多いかもしれませんが、日本初の樽熟成の米焼酎を作ったのがこちらでした。世界を見据え、1951年にスタートしたこの米焼酎は一時は販売を拡大したものの、若者の焼酎離れなどがあり、販売に苦戦します。
時は代わり2000年代、4代目の小正芳嗣さんが2代目の想いを受け継ぎ、世界各地で提案するものの、味わいが評価されても「焼酎」自体の認知度の低さからなかなか受け入れられず……。 しかし、そこで挫折するのではなく、とあるきっかけから、これまで生み出してきた焼酎の蒸留技術をウイスキーにも応用できると気づいたのです。世界的にスタンダードな蒸留酒、ウイスキー作りでまずは注目してもらう。その結果、ブランドのバックボーンである焼酎自体にも注目をしてほしい。嘉之助蒸溜所のウイスキー作りにはそんな裏の目的もありました。 蒸留についてのあれこれを学ぶ前に教えていただいたブランドの背景。2代目から4代目に渡って受け継がれてきた熱い想いに感動しつつ、いよいよ工場内へ参ります。