独クリスマス市襲撃、容疑者に反イスラム言動 難民対応に不満か
Thomas Escritt Rachel More [マグデブルク(ドイツ) 21日 ロイター] - ドイツ東部マクデブルク中心部のクリスマス市に車が突っ込んだ事件で、逮捕したサウジアラビア出身の男について検察当局は21日、動機は明らかではないとしながらも、サウジアラビア難民へのドイツ対応に不満を抱いていたことが一因の可能性があるとの見方を示した。 20夜に発生した事件では子どもを含む5人が死亡、重傷・重体の41人を含め多数が負傷した。 容疑者はドイツに20年近く在住する50歳の精神科医で、現場で逮捕された。警察は容疑者の名前を明らかにしていないが、国内メディアは「タレブA」と報じている。 ロイターが確認した容疑者のXアカウントでは、「ドイツのための選択肢(AfD)」を含む反イスラム・極右政党の支持を示唆、サウジ難民の扱いについてドイツ政府を批判する投稿があった。 フェーザー内相は、容疑者は明らかにイスラム恐怖症は明らかだとしたが、動機についてはコメントを避けた。 ドイツ紙FAZや英BBCなど多くのメディアが2019年、サウジアラビアやイスラム圏から欧州に逃れた人々を支援する活動家として「タレブA」をインタビューしていた。FAZでは「良いイスラム教は存在しない」と語っていた。 サウジの関係筋はロイターに対し、容疑者がXで治安を脅かす過激な意見を投稿したことから、ドイツ当局に警告を発したことを明らかにした。 ドイツの治安筋によると、サウジが2023年と24年に何回か情報を提供、関連する治安当局に伝えていた。 ウェルト紙は治安筋の話として、ドイツの州・連邦当局は昨年のリスク評価で、男を「特別な危険はない」と判断していた。