上原佑紀調教師が早くからクラシックを意識してきたピコチャンブラック/新人記者のトレセン日記
【新人記者・栗栖歩乃花のトレセン日記】 レース名に込められたように「希望に満ちた」2歳馬が暮れの中山を駆け抜けるホープフルSを前に、「ここで勝ち負けならダービーを意識しますね」と話すのは上原佑調教師。ピコチャンブラック(牡)の能力を高く評価しています。デビュー戦では後続を7馬身も引き離す圧倒的なスピードを見せ、2戦目アイビーSでも2着ながら差のない競馬でした。 上原佑師は当歳の時から期待していたそう。「スラッとして華奢だなと思っていましたが、体も順調に増えて良い成長を見せています。生まれが遅く(4月生まれ)1歳時は細さが目立ちましたが、思った以上の成長を見せています」とここまでを振り返ります。入厩したときから才能を感じ「クラシック路線に乗せないと」という思いを持っていたからこそ、この一戦を「来年につながる良いレースにしたい」と気持ちが入ります。 今回コンビを組むことになった川田騎手からは1週前追い切りの騎乗後『良い馬だよね』とお褒めの言葉があったとか。一方で「折り合い面は危うさがある」という言葉を受け、「川田ジョッキーと相談してハミをトライアビットに替えた」といいます。そのハミで走った最終追い切り後、上原佑師からは「理想的な追い切りができました」と笑みがこぼれました。 また、「厩舎では当該週もしっかり(調教を)やることが多いのですが、なるべくリラックスして走らせたかったので単走でサラッと」と今回は馬の負担にならない工夫も。そのかいあって追い切り後も「厩舎では落ち着いています。負担になっていない感じです。競馬にいい感じで行けそうですよ」と順調に調整が進んでいます。 「ポテンシャルは負けていないので、勝ち負けになると思います。折り合いがカギになりますね」と課題を挙げつつも改めてこの馬の能力を高く評価する上原佑師。ダービーに向けてこれからどんなを道を切り開いていくのか、将来のスター候補に期待したいです。
栗栖 歩乃花