２回表２死満塁、有原（左）に２点打を許したＤｅＮＡのジャクソン

◇26日　SMBC日本シリーズ2024第1戦　DeNA3―5ソフトバンク（横浜） 　ソフトバンクは12球団で唯一600得点を超えるなど打ち勝つイメージを持っていたが、守りも走塁も隙がなかった。 　先発の有原は初回こそファーストストライクを積極的に振ってくるDeNA打線の前に少し投げにくそうだったが、2回以降は少しずつボールを動かしながら相手の打ちたい気持ちを利用して、逆に凡打の山を築いていった。捕手の甲斐の経験値の高さもプラスに働いた。最後は5点差で抑えのオスナ。気持ちの入れ方が難しい状況での登板で失点はしたが、追い越されなかったことはチームとしての地力がある証拠だと思う。 　一方、DeNAも締まったゲームをした。シーズン中はリーグワーストの失策を数えたが、この日は随所に良いプレーも出ていた。それだけにもったいないのは2回に有原の右前打で先制を許した場面。2死二、三塁から甲斐を申告敬遠で満塁に。ここで想定しなければならないのがジャクソンの150キロを越える直球に振り遅れた打球が右前に飛ぶケースだ。 　右翼の梶原もライトゴロを想定していた動きだったが、一塁のオースティンが飛び込んだため、一塁はがら空きに。ジャクソンがベースカバーに入ろうとしていたが、このケースでアウトにできるとするなら「9―3」のプレー。決して隙が出たわけではないが、事前にそこの意思の疎通があってもよかった。 　逆に言うと、圧倒的な戦力を誇るソフトバンクを上回ろうとするなら、それくらいの意識の高さが求められる。ただ、DeNAは9回に反撃したように、打線が活気づけば一気に流れが変わる可能性を秘めている。（本紙評論家）