阪神からドラフト2位指名を受け、チームメートと写真におさまる報徳学園・今朝丸裕喜（中央）　＝報徳学園高校（撮影・根本成）

プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD（24日）「火の玉ストレート」継承や！！　阪神に2位指名された151キロ右腕の報徳学園高・今朝丸裕喜投手（18）は、兵庫・西宮市内の同校で会見し、プロでの大目標に「200勝」をぶち上げた。甲子園に春夏3度出場して昨春、今春と2年連続で選抜大会準優勝となった男が、藤川球児監督（44）の教えを受けて虎のエースを目指す。 会場でアナウンスされた名前を聞き届けると、「ウオー！！」という仲間の歓声に包まれ、今朝丸が笑顔を見せた。 「まずはほっとしたという気持ちが一番でした」 テレビに藤川監督の表情が映し出され、プロへの門が開けたことを実感した。187センチ、77キロと体ができ上がっていない中でも最速151キロを投げ、2年連続で選抜大会準優勝に貢献した才能は間違いなく世代屈指。「一番のアピールポイントは角度のあるストレート。最終的な目標は200勝投手です」。昨年、ソフトバンクに1位指名された1学年上の前田悠伍（大阪桐蔭高）が会見で掲げた「200勝」の数字に刺激を受け、勇んでプロの世界に飛び込む。 子供の頃から父・裕さん（48）に連れられ阪神の試合を観戦してきた。「藤川監督の『火の玉ストレート』は本当にすごい球。自分もそれを聞きたい」と目を輝かせ、剛球伝説の継承を夢に描いた。また現役の虎戦士にもあこがれの存在がいる。「才木選手は自分と似たようなタイプなので、角度のあるストレート、変化球というところで聞いてみたい」。誰よりも教材にできる同じ神戸出身の長身右腕との出会いも心待ちにした。 同世代では、同じ兵庫出身の右腕・村上泰斗（神戸弘陵高）が先にソフトバンクに1位指名された。3月の練習試合で先発で投げ合い意識し合ってきた間柄。「村上が1位で行って、自分は2位。悔しい気持ちはあります。自分がプロで先に結果を出してやるという気持ちで行きたいです」と、持ち前の強い負けん気がのぞかせた。 「（行き先は）阪神でお願い！」と声を掛けられた仲間たちの思いもかない「ここまでサポートしてくれた仲間なので、自分が1軍で活躍して恩返ししたいと思っています」。多くのプロ野球選手を送り出し、本拠地の甲子園球場と同じ兵庫・西宮市に学びを構える強豪校ながら、在籍時に阪神に入団するケースは初めてだ（大学、社会人経由では谷村智啓がいる）。