緊急事態宣言を延長 安倍首相が会見(全文2)持続化給付金は最速で5月8日入金
PCR検査の改善点は?
NHK:NHKの松本と申します。よろしくお願いします。PCR検査についてお伺いします。政府のほうは能力拡充を図ってきているとしていますけれども、なかなか実施件数自体は伸びてこないという現状があります。こうした中、果たして感染の全体像がつかめているのかどうかとか、あるいは把握できない感染が広がっているという国民の不安もあるかと思います。この検査の運用が、医師が必要と判断した人が受けられるようにするといったことになっていますけれども、こうした運用の見直しを図りまして、また、より検査が受けられやすいようにしていくという、その改善点についてどのようにお考えかをお伺いしたいと思います。 安倍:PCR検査の数と実際の感染者数との関係においては尾身先生からお話をいただきたいと思いますが、では、このPCRの検査の数が諸外国と比べて日本は少ないのではないかというご指摘もあります。また、私もずっと、医師が判断をすればPCR検査を受けられるようにするというふうに申し上げてきましたし、その能力を上げる努力をしてきました。
保健所の業務過多や検体採取の体制など
ただ、8000、1万、1万5000と上げても、実際に行われているのは7000~8000レベルでありまして、どこに目詰まりがあるのかということはもう私も何回か、何度もそれは、そういう状況についてどこに目詰まりがあるのかということは申し上げてきているわけでありますが、本日の専門家会議の分析・提言では、東京などを中心とした大都市部を中心に検査待ちが多く、報告をされまして、検査件数がなかなか増加しなかった要因として、各自治体における保健所の業務過多や検体採取の体制などが挙げられています。 現在、こうした状況を踏まえまして、地域の医師会にもご協力をいただきながら、全国で20カ所、主にやはり東京でそういうことが起こっておりますので、東京で12カ所のPCRセンターが設置をされまして、PCR検査体制の強化が図られてまいりました。東京などの大都市圏を中心に対策を徹底していきたいと思っています。 司会:では尾身会長、お願いいたします。 安倍:実態の件数とPCRとの関係。 尾身:今の、よく一般の方でPCR検査が日本で比較的少ないので、感染の実態を十分つかんでないのじゃないかということですが、実はこれは今日、私ども専門家会議がこれから記者会見をしますが、そのときに詳しく申し上げようと思っていますけど、歴史的に見て確かに日本はPCRのキャパシティーを上げるということがほかの国に比べて遅れた。それはさまざまな理由があります。もともと衛生研究所とか、国立衛生研究所は感染法の中で行政の検査をやるということで、1つがありますね。それから、日本の場合には幸いなことに、SARS、MERSがなかったために、少しやっぱりPCR体制というものを置くということが、そういう経過があってなかったと思います。 しかしそういう中で実は、当初はPCR検査を、重症化を防ぐために限られたキャパシティーを集中せざるを得ないという、これは事実でございました。しかしだんだんと感染者が増えて死亡者も増えるという中で、もう2月の20日ごろから大学とか他の医療機関に試薬を送るとか検査をする、それから3月6日にはPCRの保険適用が、そういうことがさまざまにやりましたけど、実はなかなかうまく思ったほどのスピードで上がらなかったのは事実で。