高級レストランのドタキャン損失を減らせ! ダイナースクラブが新サービス
クレジットカード大手で、ダイナースクラブカードを発行する三井住友トラストクラブ(東京・中央区)は24日、予約客の直前キャンセルで生じた有名飲食店の空席を買い取って、ダイナースクラブ会員向けに再販する新サービス「ごひいき予約」を始めた。
飲食業界にとって予約客による直前キャンセルは、店が準備した食材や人件費はもちろんのこと、他の顧客の機会ロスなど多方面にわたる損失につながる。直前キャンセルや予約日時になっても客が来店しない「ノーショー」(No Show=無断キャンセル)は予約全体の1~3%に達するという試算もあり、その年間推定損失額は飲食店業界全体で750~2000億円に達するとも言われている。 そのブランド名が示すように、「食事を楽しむ人」のために設立されたダイナースクラブは、飲食業界が抱えるこうした問題の解決支援に取り組みたいとの考えから、オンライン予約サービスを提供するポケットメニューと、モバイルメッセンジャープラットホームを展開するLINEの2社と連携し、直前キャンセル問題の解決スキームを構築した。 「ごひいき予約」では、予約客の食前キャンセルによって生じた飲食店の空席をダイナースクラブが買い取り、ダイナースクラブ会員に向けてLINEで飲食店の空席をリアルタイムに告知・再販。その当日予約と決済はポケットメニュー社が運営する「ポケットコンシェルジュ」を通じて行うことができる。 仮に目当ての店が予約出来なかった場合でも、他のレストランを紹介する「リコメンド機能」を備えているという。食への意識や関心が高いダイナークラブの強固な会員基盤とLINEの即時性、充実した店舗ネットワークと事前決済機能を特徴とする「ポケットコンシェルジュ」のそれぞれの強みを生かしたサービス展開を行う。 当初は都内の有名な料理店など、通常では予約が困難な人気店など16店が参加してのスタートとなる。その後は、市場動向や利用状況をみながら、順次、参加店舗や地域エリアの拡大も図るという。 三井住友トラストクラブは「直前キャンセルは仕事の都合など不可抗力によるものが多いと思うが、利用者と飲食店との新たな出会いを提供しつつ、キャンセルによる様々な損失を減らす一助となりたい」と話している。 (3Nアソシエイツ)