【NBA】ヒートのダンカン・ロビンソン、『遅咲き』の成長は30歳でも止まらず「僕の全盛期はこれからやって来る」
「これだけ長くNBAにいれば大半のことは経験済み」
ヒートのダンカン・ロビンソンはNBAデビューが24歳と遅かったために、まだNBA6年目を終えたところだがこの4月に30歳となった。ドラフト外からチャンスをつかんで活躍する選手は少なくないが、その活躍が何シーズンも続く選手は珍しい。6年目でキャリア最高のシーズンを送るとなると、さらに稀だ。 平均12.9得点は彼にとって平均的な数字だが、ケガがちだった昨シーズンを乗り越えて68試合に出場。そのうち36試合は先発だった。3ポイントシュート成功率は39.5%で、1試合平均7本以上のアテンプトのある選手の中では9番目の数字だ。さらに今シーズンは外で待ってキャッチ&シュートを狙うだけから、ドライブでペイントエリアを攻めるプレーが増え、それに伴いこれまで最高でも1.8だったアシストが2.8へと急増。オフェンスを引っ張る選手の一人となった。 この大きな変化について、彼は「メンタル面で大きく成長できたと思う」と語る。「特別な何かをしたわけじゃないんだ。何か特別な練習をやるようになったわけじゃない。自分のルーティーンを続けて、そこに少しずつ調整を加えていく。これだけ長くNBAにいれば大半のことは経験済みで、それが自信になる。ちょっとした成功体験の積み重ねで、自分が普段やっていることを疑わずに済むようになる」 ただ、残念なことに肝心のポストシーズンはケガに見舞われた。エースのジミー・バトラーがプレーイン・トーナメントで右膝の内側側副靱帯を痛めた。ロビンソンもレギュラーシーズン最後の1カ月は背中の痛みに悩まされ、プレーオフに間に合わせたものの、バトラー不在のヒートを持ち直させるだけの働きはできなかった。 ロビンソンはこう語る。「正直、本来の25%のパフォーマンスしか出せなかった。言い訳にしかならないから、この話はあまりしたくない。レギュラーシーズンはプレーオフのためにあって、どこにどうアプローチするかが問われる。僕らは良い感じで戦えていたのに、チームとしても僕個人としても積み上げてきたものがケガで台無しになってしまった。これまでのキャリアでは感じたことのないフラストレーションだったけど、プレーオフに間に合わせるための努力をしていなかったら後悔はもっと大きかったと思う。だから今はそれも経験だと思うようにしているよ」 今オフのヒートはチーム再編の可能性がある。現体制を長らく引っ張ってきたが、ジミー・バトラーやタイラー・ヒーローをトレードに出し、バム・アデバヨと新たなスター選手を組ませて再出発するかもしれない。ロビンソンも契約が残り2年で立場は安泰ではないが、今まさに『化けつつある』彼をヒートは他のどのチームよりも評価するだろう。 幸いにも彼の背中のケガは手術や大掛かりな治療が必要なものではなく、休養を取れば完治するもので、来シーズンに影響を及ぼすことはない。しばらく心身を休ませた後、ロビンソンは自分を進化させる作業を再開させるつもりだ。「30歳になったけど、自分の完成形はまだまだ先だと思っているんだ。一般的には28歳から数年が全盛期かもしれないが、僕の全盛期はこれからやって来る」 「今回のポストシーズンはやり残したことばかりだ。でも切り替えて、新シーズンにはもっと成長し、もっとタフになって戻って来るつもりだよ」