大垣日大、厚み増した投手陣 「3元号勝利」監督の采配にも注目 センバツ出場校紹介
大垣日大(岐阜)が2年連続(5回目)で春の甲子園に登場する。今回は昨春以上の総合力を備え、聖地に乗り込む。
エース以外も成長
昨秋の県大会では実力校の帝京大可児や県岐阜商、市岐阜商を次々破り決勝に進んだ。中京に3―4でサヨナラ負けしたが、東海大会では愛工大名電(愛知3位)に1―0、三重(三重1位)に4―2で勝利した。準決勝で東邦(愛知1位)に4―7で敗退したが、逆転されても九回に2点を返すなど粘りの野球を見せた。
好材料は投手陣が底上げできたことだ。昨春も甲子園のマウンドに立ったエース右腕の山田渓太(2年)は昨秋を前に腰の故障から復帰した。最速143キロの直球を軸に、新たに習得したフォークで投球の幅を広げた。県大会では全6試合計36回を投げて防御率2.00と好投した。東海大会でも完投勝利を挙げ、準決勝も1人でマウンドを守った。山田は「大一番で勝てるように冬場に球威を上げる」と語っていた。 カーブなどの変化球を中心に組み立てる技巧派右腕の保田篤史、左の横手投げの矢野海翔らも成長した。2年生右腕の権田結輝を含め、エースだけに頼らなくていいほど層が厚くなった。
強力クリーンアップ
打線の中心は米津煌太(2年)。県大会では打率5割2分9厘の好成績を残し、東海大会でも毎試合安打を放った。だが「まだまだ納得できない」と今冬はさらなる成長に向けてバットを振り込んできた。米津、山田、高橋慎(2年)の強力クリーンアップの活躍に期待がかかる。 阪口慶三監督は1967年の東邦監督就任から半世紀以上の監督歴を誇る名将で、抜群の野球勘と鋭い眼光は健在だ。前回大会で初戦を突破し、昭和、平成、令和の3元号で甲子園での勝利を達成した。甲子園通算40勝まであと1勝に迫り、5月で79歳を迎える。 昨夏の岐阜大会はまさかの初戦敗退。悔しさをバネにしてきた。主将の日比野翔太(2年)は「掲げる目標は優勝だけれど、甲子園でも目の前の一戦に全力を尽くしたい」と力を込める。冬を越え、一層たくましくなった大垣日大ナインは大舞台での勝利に向け意気込んでいる。
07年春に準優勝
1963年に前身の「大垣高校」として開校した私立校。89年に現在の校名になった。野球部はこれまで甲子園に春4回、夏5回出場した経験があり、最高成績は2007年春の準優勝と同年夏の8強。昨年のセンバツは1回戦で只見(福島)に6―1で勝ち、2回戦で星稜(石川)に2―6で敗れた。 野球部以外にも部活動が盛ん。柔道や相撲、レスリングなどが全国レベルで、書道部や吹奏楽部なども活発だ。男子陸上競技部は22年12月に京都市で行われた全国高校駅伝競走大会に初出場を果たしている。