殿堂入りした巨人・斎藤にあった二刀流からの転機
公益財団法人、野球殿堂博物館は18日、東京ドーム内の野球殿堂博物館で平成28年度の野球殿堂入りを発表。プレーヤー表彰では、元巨人のサイドハンドで現在巨人2軍監督の斎藤雅樹氏(50)と、元西武、ダイエー、巨人、横浜の4球団でプレー、通算226勝、14度のリーグ優勝、11度の日本一、シーズン、シリーズMVPを共に2度づつ受賞し、現在ソフトバンク監督の工藤公康氏(52)の2人が選ばれた。 また監督、コーチ退任後6か月以上、引退後21年以上を経過した人を対象とするエキスパート部門では、元毎日、大毎、オリオンズなどで通算2314本安打を放ち、往年の名投手達が口を揃え「史上最高のバッター」と評した故・榎本喜八氏が選出された。また特別表彰として、戦後の野球復興に尽力した故・松本瀧蔵氏、法大で歴代最多勝利記録を持ち、バルセロナ五輪代表監督など指導者としても活躍した山中正行氏(68)が殿堂入りした。 斎藤氏は、有効投票数の84.6パーセントにあたる285票を獲得。今回が初の資格者となった工藤氏も、76.6パーセントにあたる258票で、75パーセント以上の選出得票ラインをクリアした。昨季、選出得票数に、わずか3票が足りず、次点に泣いていた斎藤氏は「わずか3票差だったので、今年は、ちょっとは期待していたが、大変光栄な賞をいただき、すべての皆さんに感謝しています」と、ニコヤカに挨拶。 「僕が知らない間に母が勝手に川口のリトルリーグに応募したのが、野球を始めたきっかけ。もしそれがなければ、あのままソフトボールをやっていたかもしれない。大きな怪我のない強靭な体に生んでくれた母には感謝している。甲子園には出場できなかったが、読売ジャイアンツでは、藤田監督、王監督、長島監督の元で野球をして、藤田さんにはサイドハンドに変えてもらい、その後11連続完投勝利ができるまでになった。王さんの時代には、期待にこたえることができず申し訳なかったが、長嶋さんには、10月8日、勝った方が優勝という中日との大事な試合を投げさせてもらい、いい経験になった」と続けた。 1989年には11連続完投勝利の日本記録を作って、2年連続20勝を記録、巨人の黄金時代を支えた。沢村賞を3回受賞、通算180勝で名球界入りは果たせなかったが、そのサイドハンドは球界を席巻した。