投資初心者「プロの意見を聞きたいが…」選択を誤ると大変!? 最適なアドバイザー探しの重要ポイント【経済評論家が助言】
景気予想屋と株価予想屋について、ちょっと補足
景気予想屋は「経済指標は数多くあり、それぞれが振れるのだから、一喜一憂しないように」と教えられて育ちます。多くの経済指標を数カ月分眺めて、景気の大きな流れが変化しつつあるのかを見極めるのです。 株価の予想屋は、そんなことをしている間に株価が動いてしまいますから、他人より素早く一喜一憂する必要があります。 そこで筆者は株価予想屋を「雨が降り始めると洪水を心配し、雨が止むと水不足を心配する人々」と呼んでいますが、彼らにいわせれば景気予想屋は「堤防が決壊してから洪水を心配する人々」なのかもしれません。
景気予想屋の見解&株価予想屋の見解…「目的別」に使い分けよう
上記のように、景気予想屋と株価予想屋は大きく異なるわけですが、優劣があるわけではありません。違う職業だから違うことをしている、というだけなのですから。 情報の受け手が、なんのために景気のことを知りたいのか、それによってどちらの話を聞くかを決めればよいのです。ちなみに、だれがどちらに属しているかを知るのには、「金融政策の話に詳しいか否か」が判断材料になります。詳しければ株価予想屋、そうでなければ景気予想屋だと考えてよいでしょう。 筆者は景気予想屋ですから、仕事中は株価予想屋を批判したりしていますが、趣味で株式投資をしているので、趣味の時間には彼らの話を聞きます。目的によって使い分けているわけです。 ちなみに、景気の予想のほうが株価の予想よりも当たりやすいのですが、それは景気の予想屋が株価の予想屋より優秀だということを意味するものではありません。 景気の予想というのは、景気が上を向いているときには「このまま改善が続くでしょう」といっておけば、高い確率で当たります。一方で、株価の予想は非常に困難です。世界中のプロの半分が株価上昇を予想して買い注文を出し、残り半分が下落を予想して売り注文を出している結果がいまの株価なのですから。 今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。 筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。 塚崎 公義 経済評論家
塚崎 公義