投資初心者「プロの意見を聞きたいが…」選択を誤ると大変!? 最適なアドバイザー探しの重要ポイント【経済評論家が助言】
近年では政府からの後押しもあり、投資家デビューする人が増えています。投資をする以上、経済の動向は常にチェックするわけですが、だれの、どのような意見を参考にすればいいのか、迷う方も多いのではないでしょうか。経済評論家の塚崎公義氏が「景気を語る人」を分類し、意見を聞く際の留意点や意見の活用方法を解説します。 年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
景気について語る人は「4グループ」に分類できる
景気について語る人は大勢いますが、筆者はそうした人を4つのグループに分けています。「経済学理論優先の経済学者」「株価を予想するために景気の話をする株価予想屋」「景気の予想屋」「常に大恐慌を予言し続けるトンデモ屋」です。 ★「経済学者」…経済学理論優先 経済学者は、経済学理論には詳しいのですが、経済学理論で景気を説明することは、現段階では無理があります。「景気は気から」といわれるように、心理の影響も大きいので、心理学との共同研究が進むまで、むずかしいでしょうね。 そこで筆者は景気を語る経済学者のことを「理路整然と間違える人々」と呼んでいます。彼らからすれば筆者は「経済学理論もわからずに景気を語っている勘ピューター」ということなのでしょうが。 ★「株価予想屋」…株価を予想するために景気の話をする 株価の予想屋は、限られたものを詳しく見ます。具体的には日米の金融政策と米国の雇用統計です。米国の鉱工業生産は、あまり見ません。それは、米国の生産統計が発表された日に株価が動かないからです。生産統計の発表で株価が動かないならば、投資家は生産統計に興味を持ちません。したがって、株価の予想屋も生産統計について語らない、というわけです。 ★「景気の予想屋」…数多くの経済指標を広く浅く見る(筆者はここ) 景気の予想屋は、数多くの経済指標を広く浅く見ます。景気の大きな流れをさまざまな要因の綱引きであると考えているからです。米国の鉱工業生産等も、もちろん見ます。 景気予想屋は、株価予想屋と反対で、金融政策についてはあまり関心を持っていません。「金利が0.25%下がったから設備投資をしよう」という企業は多くないからです。せいぜい「金融緩和で株高やドル高になると景気にはプラスかな」といった程度でしょう。 ★「トンデモ屋」常に大恐慌を予言し続ける トンデモ屋はある意味で優れたビジネスモデルです。筆者の自尊心がもう少し少なかったら試みてみたいのですが(笑)。 トンデモ話を聞きたい人は一定数います。最悪の可能性について考えてみたい、という人も一定数います。したがって、固定客が容易に確保できるわけです。 しかも、面白いストーリーを多数思いつけます。楽観論は「大したことは起こりません」で終わりですが、悲観論は多様な懸念を膨らませることができるからです。「幸せな家庭は一様に幸せであるが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である」という言葉がトルストイの小説にありましたが、それと似ていますね。 そして、予想が外れてもだれにも怒られません。時々リーマン・ショックのようなことが起きますから、その時には「何年も前から私が正しく予想していたとおり…」といえばいいのです。