相次ぐマンホール噴出 数十キロの鉄製フタはなぜ吹き飛ぶ? 台風による大雨時は「エアーハンマー現象」に要注意 「冠水道路を歩く時は、道路の端を歩いて」
今週末、台風10号の最接近が予想される東海エリア。“ノロノロ台風”で影響が長引く恐れが出ています。荒天が懸念されるなか、大雨の時こそ注意したい現象があります。
噴き出した水に吹き飛ばされたのは、数十キロはあるマンホールの鉄製の重いフタ。道路には、3つに割れたフタらしきものが散らばっていました。 日本グラウンドマンホール工業会によると、今回の現象は「エアーハンマー現象」の可能性が非常に高いといいます。 “空気圧でフタを下からたたく”ような仕組みから、その名が付けられた「エアーハンマー現象」。
どのような仕組みかというと、普段は水位が低い下水道管に、大雨が降ることで大量の雨水が流れ込み水位が急上昇。すると、下水道内の「空気」が行き場を無くして「圧縮」されます。
水の勢いが増し、異常に高まった「空気圧」が耐えられなくなり、フタが吹き飛んでしまうことがあるのです。
岐阜では噴出した水で車が持ち上げられる事態に
過去、東海エリアでも「エアーハンマー現象」が発生していました。2020年7月に撮影された岐阜県岐阜市の映像に映っていたのは、噴き出したマンホールの水に車が持ち上げられている様子。 新宿駅や岐阜市のような「エアーハンマー現象」が起こるときには、大雨が降っていました。 名古屋市上下水道局では、市内の下水道を1時間に50ミリから63ミリの大雨にも耐えられるよう整備を実施。大雨における対策の強化を進めています。 台風接近の影響で、大雨が予想される東海エリア。名古屋市上下水道局は冠水道路を歩く時の注意として、「マンホールは道路の中央に設置されていることが多い。やむをえず外を歩く際は、マンホールが設置されていない道路の端を歩いてほしい」と呼びかけています。