住民に敬遠されていた養鶏所が集まって… モーニングからスイーツまで「たまご街道」が人気観光地かした軌跡
卵1000キロを生産するのに出る1000キロの鶏糞を今後どうやって処理していくかも問題だ。以前は近郊の農家に堆肥として使ってもらっていたが、都市近郊では、農家は減少傾向にある。鶏糞が処理できなければ卵の生産を減らさざるをえないかもしれない。 ■「物価の優等生」の陰には生産者の苦労 物価の優等生と言われ、安価で美味しい身近な食品として愛されてきた卵だが、その存在を支えるためには見えないところで生産者の苦労があり、現場、制度にはさまざまな矛盾が生じつつある。これからも卵が毎朝の食卓に上り続けるよう、養鶏業のこれからに関心を寄せるようにしたい。
最後にたまご街道を訪れてみようと思った方に。たまご街道で検索をかけると相模原市観光協会が作成した案内図が出てくる。エリア自体が駅から離れているので車で行くのが便利だ。 前述のカフェのほか、コトブキ園が経営する「農場の家」でもスイーツを扱っており、個人的には卵の殻に入ったクレームブリュレが超おススメ。養鶏場ごとに卵の色、黄身の色が異なるので何軒かで買って食べ比べしてみるのも楽しい。ちなみに卵の殻の色の違いは鶏の種類の違い、黄身の色の違いは飼料の違いによるもので、茶色い鶏は茶色い卵、白い鶏は白い卵を産むそうだ。
中川 寛子 :東京情報堂代表