家族と暮らした思い出の場所・川崎で再オープン 能登半島地震で全壊した飲食店「わじまんま」
日テレNEWS NNN
能登半島地震で倒壊したビルに押しつぶされた飲食店が、10日にお店を再開させました。店主は、かつて家族と一緒に暮らした思い出の場所で、再起を誓いました。
10日に神奈川県川崎市の京急川崎駅近くにオープンした居酒屋「わじまんま」。店に並ぶのは… 店主 楠健二さん 「カサゴ、マダイ。能登の魚」 能登半島でとれた新鮮な海の幸です。 店主 楠健二さん 「これはぬかづけ、日本酒にすごく合う。サバとカワハギとイワシ、フグの卵巣」 店主の楠健二さんに、オープン前に話を聞きました。
楠健二さん(神奈川・川崎市 10日) 「ほら『復興中』。営業中なんだけど『復興中』。俺も『復興中』だし輪島も『復興中』」 かつて、この店があったのは… 楠健二さん(神奈川・川崎市 10日) 「輪島にある店は全壊して、普通じゃない全壊。地震の象徴のように、ビルがずっと横たわっている」 今年の元日、日常は一変しました。
あの日、輪島にある店舗兼自宅は、大きなビルに押しつぶされました。妻と長女ががれきに挟まれ、楠さんは目の前で、助けを求められました。
楠健二さん(神奈川・川崎市 10日) 「出そうにも出せなかった、のこぎり一本で出そうとした、出るわけないじゃん。おれ(娘の)足を切ろうとしたの。切れるか?それ。切れたら助かってたよ。目の前にいたから、助けられなかった俺の…わかる? みんなも好きな人いたり、親・娘でも。目の前で『助けて』って言われてるのにさ、引っ張りだせなかったんだよ。一生懸命やったんだよ、それでも」 地震から数か月間。2人の思い出を何度も探しました。
楠健二さん(石川・輪島市 今年2月) 「(妻からの)プレゼント。『時間守ってね』って常々怒られてたから俺」 「探してた(長女の)携帯。これで…次の一歩進めるか分からないけど」 一歩を踏み出したのは、かつて家族と過ごし、店を出していたこともある川崎でした。