広島「住み続けたい街ランキング2024年」駅1位は買い物や教育環境の整った「広大附属学校前」
教育環境や子育て環境の充実でも、広島市以外の市町が上位に
この調査では同時に、住んでいる街に対し、どんな魅力があるか「魅力項目」を提示し、その評価を集計したランキングもいくつか公表されている。 「子育て環境」や「教育環境」が充実しているという魅力項目に対し評価が高かった自治体は、ともに「安芸郡府中町」が1位に。子育て中の家族がさまざまな特典を受けられる「イクフレカード」や、保育士または講座受講のシルバー会員による未就学児の一時預かり、施設が充実した児童センターの開設など、取り組みが話題になることも多い府中町。「イオンモール広島府中」があることも、子育て世代には評価が高そうだ。 そのほかにも、ランキング上位には広島市以外の市町が多く並ぶ。「廿日市市」や「東広島市」も子育て環境、教育環境ともにTOP5入りをしている。乳幼児(こども)医療費助成についても、広島市が令和7年1月より通院・入院の助成対象を中学3年生まで拡大するのに対し、廿日市市は令和6年9月、東広島市は同10月から対象を高校3年生まで拡大することを発表している。
今後発展しそうな駅や自治体は?
今後発展しそうな駅や自治体についても集計している。 自治体5位の「東広島市」は、広島大学の移転以降、学問や産業の街として開発が進められてきた。産官学連携の試みも多いほか、吉川エリアの「マイクロンメモリジャパン」の本社・広島工場周辺では、新たな新産業団地開発が明らかになっている。また、東広島・呉道路に続き、2022年には東広島安芸バイパスも完成し、広島市内方面へのアクセスも向上。人の流れが活発化する事により新たな街の発展が期待されている。 駅2位の「的場町」は広島駅の隣接エリア。広島駅では2025年に新駅ビルの開業を控え、工事の進行でその全容が垣間見えるようにもなり、注目はさらに高まっている。広島市中心部では、そのほか紙屋町・八丁堀やその周辺エリアでも、それぞれビル数棟が絡む大規模な再開発案件が複数動いており、サッカースタジアム周辺、さらにはそごうやサンモールといった商業施設など、今後リニューアルや再開発を予定している施設も多い。4位の「八丁堀」や紙屋町が徒歩圏となる3位「十日市町」、8位「土橋」なども、街の盛り上がりに合わせて注目が集まっているといえるだろう。 大規模な再開発で街が日々変化を続ける広島。新しい街への期待が膨らむ一方で、「住み続けたい街」には、買い物などの利便性は高く、かつ昔ながらの街並みが残るエリアが多くランクインしている。街への愛着と暮らしやすさ、その両方を叶えてくれる街にこそ「住み続けたい」と感じる人が多いようだ。 ●プレスリリース 「SUUMO住民実感調査2024 広島県版」住み続けたい街(自治体/駅)ランキング
西村 祥子