60代以降の「住まい」どうする?54歳エディターが「一生、賃貸でいく」と決めた理由。【メロウライフ】
そして「買うほうが生涯コストがかからない」。これは諸説あると思うけれど、僕はまやかしだと思う。さっきの話と同じく、今は不動産バブルで高騰しているけれど、いずれ価値が下がる気がする。 そうなる前に「売って儲ければいい」とも言うけれど、そもそもマネーゲームに参加したいわけではないし、買ったり売ったりのもろもろにかかる手間のほうが、僕にとってはコストに感じてしまう。 ってことで、この問題もパス。 あとは「住み慣れた家でずっと安心して過ごしたい」という気持ち。これはわからなくもないけれど、借り暮らしでもできなくはない。うちの82歳の母親も賃貸の集合住宅に30年以上いて、すっかり「住み慣れた家」と化している。しかも国の助成金で、あちこちに手すりが付けられたりもしている。 ひとつ、買う派のことを羨ましく感じるのは、自分の空間を好きにできること。ただこれも近頃は賃貸でもできるリフォームの方法もあるし、「気になる」のレベルがどこまでか、にもよるだろう(裕子さんは、きっと「気になる」が多いから大変だろうなぁ) では表題の、人には言わないほうの理由。それは人生の「わからない」を愛し、楽しみたいから。 これからの暮らし、住まう家、すべてがお見通しだと、やっぱり面白くない。同じ船にぼーっと乗っているだけでは、ただでさえも齢を重ねて薄れていく気力と体力が、さらに削り取られていく気がする。エンジンをかけていくには、まだまだスリルとドキュメントがあったほうがいい。 これぞ!という理想の物件にめぐり会ったら、サクッと引っ越したい。 海外で仕事できるチャンスがあれば、思い煩うことなく行きたい。 誰かと一緒に暮らすことになったら、ふたりで家を探したい。 そう、僕にとって「心の安らぎ」は「心の死」を意味すると思うから。 と、人に言わないのは隠しているわけではなく、ただ賛同を得られそうにないから言わないだけなのだった。期待させてごめんね。
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backnumber 1)53歳エディターに忍び寄る「シニア」の呪縛 2)シルバーヘアにしたら「席を譲る人」に分類されてしまった 3)隠す?受け入れる?女性のシルバーヘアと男性の薄毛問題 4)シルバーヘア化が完了したいま、毛量やシミなど新たな課題が 5)韓国コスメ伝道師に勧められて色々コツコツ使っていたら5年も衰えナシだった 6)50代美容の壁を超えられる?肝斑が気になって美容医療を始めてみた【はじまりのメロウライフ】
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