再浮上した「強いロシア」と「弱いロシア」のジレンマ
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6月23日から24日にかけての、傭兵組織 ワグネル を率いるエフゲニー・プリゴジンによるロシアでの反乱は、世界の注目を集め、衝撃も大きかった。盤石に見えたロシアの体制が実際には脆弱性を抱えていることが露呈したのである。ウラジーミル・プーチン大統領は、 24日朝の演説 でこの反乱を裏切りであると厳しく非難し、1917年のロシア革命による内戦にまで言及し、結束の必要性を訴えた。極めて強い危機感を示したのである。 反乱部隊は首都モスクワまで200キロの地点にまで迫ったが、24日のうちにプリゴジンは進軍を止め、反乱は1日で沈静化することになった。プリゴジンは隣国ベラルーシに出国したとされたが、その真偽や最終的な扱いはいまだに不明確で、今回の反乱が今後のプーチン体制や ロシアによるウクライナ侵攻 に関してどのような中長期的影響を有するかについても、まだ分からない部分が多い。
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鶴岡路人