<あなたの“ギモン”直撃リサーチ>ペットボトル緑茶、異例の“一斉リニューアル”のワケ【WBS】
緑茶市場はブライベートブランドが席巻
差別化を図って勝負するという伊右衛門。ライバルとして真っ先に挙げたのは意外な名前でした。 「ライバルはそうですね、一つはプライベートブランド。もう無視できない存在」(伊藤さん) 実は今、小売り各社のプライベートブランド緑茶の販売数量が拡大。大手メーカーが押されているのです。イオングループのディスカウントストア。プライベートブランド緑茶「ビバタイム」を販売しています。製造しているのは「ライフドリンクカンパニー」という会社です。 福岡県にある工場を訪ねました。使用しているのは鹿児島県産の茶葉。1回の抽出でおよそ9000リットル、ペットボトル1万8000本分を作ることができます。ただ完成した緑茶は、先ほどのスーパーで売られていたプライベートブランドではありません。 「弊社では1社だけでなくいろいろな小売業のプライベートブランド商品を製造している」(ライフドリンクカンパニー 耳納工場の池田裕介工場長) 実はライフドリンクカンパニーではイオングループを始め、およそ20社ものプライベートブランドの緑茶を受託生産しています。各社からの要望を受けて微調整はしますが、20年間ベースとなる味は大幅には変えていません。 「薄くもなく濃くもなく真ん中を狙って、誰が飲んでも飲みやすいというのを目指して味にしている」(ライフドリンクカンパニー 小松靖丈営業本部長) 強みである安さに加え、ここ数年続く猛暑がプライベートブランド緑茶が好調を続ける要因だといいます。 「暑くなればなるほどゴクゴク飲むので、飲みやすい茶、当社が目指してる茶のボリュームが上がっているのでは」(小松営業本部長) プライベートブランドの緑茶の販売が伸びている影響で、緑茶のナショナルブランド全体で売り上げ2位以内に入らないと小売店での棚の確保もままならないような状態だといいます。 天候にも左右されながら、激戦が続く緑茶市場。春の陣を制するのは果たして。 ※ワールドビジネスサテライト