三冠王に迫った“打者・大谷”をどう抑えますか――MLB213勝の大投手が分析「彼はあまりにも優秀すぎる」「無防備になる時も」
あらためて見ても凄まじい数字だ。今シーズンに大谷翔平が刻んだ打撃成績だ。 昨年9月に右肘側副靭帯の損傷による手術を執行した影響で「打者専任」となって挑んだレギュラーシーズン。開幕前は回復への懸念も少なくなかったが、大谷は文字通り歴史的な成績を残した。 【動画】大谷翔平が重盗のサイン!?話題のシーンを見よ 159試合に出場して、打率.310、54本塁打、130打点、59盗塁、OPS1.036のハイアベレージを記録。史上初の「シーズン54本塁打・59盗塁」もやってのけ、フルタイムのDH選手としては史上初のMVP受賞も必然として話題沸騰となっている。 そんな偉才に対する“とあるスカウティング”が話題となっている。声の主は、ジョン・スモルツ氏。現役時代にMLB通算213勝、154セーブを挙げた往年の大投手だ。 米スポーツ専門局『FOX Sports』に掲載された「ポストシーズンで注目される各球団の中軸を担うスラッガーをいかに抑えるか」という企画内でスモルツ氏は大谷について言及。球界でも随一の強打者となった30歳の日本人スラッガーに対する“対策”を口にした。 「オオタニに対しては、2つの軸を機能させる方がいい。ボールゾーンに逃げていく球か、よく考え込ませて惑わせるような球だ。これを両立させられなければ、球場のどこにでもボールを飛ばしてしまうパワーを発揮する、とてつもない能力を持った選手になる」 とにかく大谷に考え込ませ、打席内で迷いを生じさせるべきと論じるスモルツ氏。だが、一方で「彼はあまりにも優秀すぎるから本当に対応は難しい」とも吐露。そして、より深い分析を続けている。 「彼の優れた能力の一つは、打席内で静かなように見えて、好球だと感じた瞬間に力強いスイングをするところだ。ただ、強引にボールを引っ張ろうとした時に彼は無防備になることがある。もしも、私が彼と対峙しているなら、スプリットを何度も投げて、スライダーやバックフット(打者の軸足を目がけて投げる球)を試みて、最後に速球を高めに投げるだろうね」 数多の強打者と対峙してきた自身の経験値から短期決戦における「対大谷」のプランを練り上げたスモルツ氏。だが、最後には「オオタニをアウトにするためには、本当に色々なことができるようにならなければならない。簡単じゃないよ」と漏らしている。 百戦錬磨の大投手ですらも頭を悩ませる大谷。そんな天才ヒッターに対して、一戦必勝のポストシーズンでライバルたちがどう駆け引きをしてくるかは大いに興味深い。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]