【天皇賞・秋展望】武豊ドウデュースVS女王リバティアイランドの図式も快記録を狙うあの騎手が…
[GⅠ天皇賞・秋=2024年10月27日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝2000メートル] 天皇皇后両陛下が見守られた中で行われた2023年の天皇賞・秋。令和初となる「天覧競馬」としてメモリアルなレースとなったが、その一方でイクイノックスによる〝衝撃のレコードV〟が強く記憶に残っているファンは多いだろう。今後も長く語り継がれていくに違いない圧巻のパフォーマンスだった。 その天皇賞・秋から1年。イクイノックス引退後の古馬中長距離戦線は混とんとした感もあるが、〝ポスト・イクイノックス〟として期待されてきた実力馬が集結。今年はどんな結末が待ち受けているのか? 主役を務めるドウデュース(牡5・友道)は、イクイノックスに先着した経験のある数少ない馬。昨年暮れの有馬記念快勝後、今年に入っての2戦は結果が出ていないが、ドバイターフ(5着)は出遅れや窮屈な位置取りが響き、宝塚記念(6着)は重馬場の内枠で不完全燃焼の競馬となつた。ここからジャパンC→有馬記念の秋3戦で現役引退の意向が表明されており、イクイノックスの最強ライバルとしての意地を見せたいところだ。鞍上・武豊は先週の菊花賞で伏兵アドマイヤテラに騎乗して3着だったほか、土日で6勝の固め勝ちを演じた。その手腕が頼もしい。 牝馬3冠馬リバティアイランド(牝4・中内田)は昨年のジャパンCでイクイノックスの2着。ドウデュース(4着)には先着した。前走のドバイシーマクラシックで3着に敗れた後に脚部不安(右前種子骨靱帯の炎症)を発症し、今回はぶっつけの一戦となる。エアグルーヴやウオッカ、ブエナビスタ、アーモンドアイといった名牝に続く秋の盾制覇で、現役最強の座を奪えるか。主戦・川田は19日の東京で落馬負傷→乗り替わりとなったが、翌日には大事に至らなかったことを報告している。 この2頭に挑むのが4歳世代の牡馬たち。皐月賞馬ソールオリエンス(手塚)やダービー馬タスティエーラ(堀)らがリードしてきたこの世代だが、今年に入ってからはベラジオオペラ(上村)の勢いが際立つ。大阪杯でGⅠ初勝利を決めると、続く宝塚記念でも見せ場十分の3着。3連勝でスプリングSを制したポテンシャルが4歳を迎えて本格化したようだ。また、エプソムC→オールカマーと連勝中のレーベンスティール(田中博)も充実ムード。鞍上・ルメールには秋華賞(チェルヴィニア)→菊花賞(アーバンシック)に続く3週連続GⅠ制覇、さらにイクイノックスで連覇した22→23年に続く3連覇がかかる。ルメールは18~20年にも3連覇を果たしており、驚異の〝7年6V〟となるか。 もちろん前出のソールオリエンス、タスティエーラも争覇圏内。前者は宝塚記念2着で能力の高さを再アピールした。重馬場にはめっぽう強いだけに、当日の天気次第で大きく浮上してもおかしくない。また、タスティエーラは1、4、1着と好相性の東京で巻き返しを狙う。 ジャスティンパレス(牡5・杉山晴)は昨年の2着馬。当時と同様、宝塚記念からのぶっつけという臨戦過程で、今回は坂井との初コンビが予定されている。 札幌記念=ノースブリッジ(牡6)、函館記念=ホウオウビスケッツ(牡4)と夏の北海道シリーズの古馬中距離戦線を席巻した奥村武厩舎が送り込む2頭も、勢いを味方にどこまで上位に食い込めるか。ノースに岩田康、ホウオウに岩田望と父子で騎乗する点も見どころだ。
東スポ競馬編集部