ティームーの広告大進撃で D2C 市場が動揺。広告掲載費の高騰が叫ばれるも、業界の問題はさらに大きいかも
結局、広告価格高騰の要因は何か?
このような多様化は、とくにさまざまなプラットフォームで可視性を高めようとしているアカウントにとって、不安定な市場の変化がもたらす影響を和らげる緩衝材となる。鍵は、製品だけにフォーカスするのではなく、ブランド中心のアプローチを促進することだ。過去にティームーと協業したことがあるモバイルマーケティング分析会社のアップスフライヤー(AppsFlyer)でeコマース業界コンサルタントを務めるスー・アザリー氏は、「だからブランドは、ひとつか2つのチャネルに過剰に依存するのではなく、戦略を真の意味で多様化することが重要だ」と話している。 市場調査会社のエッジウォーターリサーチ(Edgewater Research)が公表した、ティームーによるメタ広告が急増したことを示すデータにより、一部のマーケターは、1週間未満で8000以上のメタ広告が追加されたことを鑑みながら、ティームーが金をばらまいて成長した証拠だと解釈した。一方で別のマーケターは、「びっくりする数字ではあるが、支出の増加を決定的に示しているわけではない」ともデータをみながら話している。 独立系アナリストで投資家のエリック・スーファート氏は、「ティームーに関連する広告価格に対する懸念のほとんどは誇張されていると思う」と述べ、こう続けた。「ティームーはメタやそのほかのソーシャルプラットフォームでのアプリインストール広告に前例のない金額を費やしているが、その広告はインプレッションのロングテールで戦っている可能性がある(つまり、もっとも価値の高いユーザーをターゲットにしていない)」。 より簡単にいうと、メタの広告エコシステムは非常に広大であるため、1件の広告主が急激に支出を増やしたからといって、それで広告価格が大幅に上昇するとは考えにくいということだ。それも一理あるかもしれないが、現実を見ると、このような変化によって大きな負担を被る人は常に存在する。