会社や友人間でも起こりうる虐待「ガスライティング」って? 3タイプの具体例を米専門家が解説
ガスライティングとは、「ある人が他人をコントロールしようとする行為」だと話すのは、認定行動分析士のリーナ・B・パテル氏。「相手の信頼を揺るがし、弱みを利用してその人の考えや感じていることを否定し、実際に起きていること、つまり、現実認識を混乱させる手法です」 【写真】あなたがモラハラを受けている5つのサイン これがガスライティングの特徴であり、深刻な危害を与える理由でもある。その人自身のことだけでなく、周囲の人や信頼している人までを疑わせることが、加害者(以下、ガスライター)の試みだから。よって被害者は、自分が正気を失ったかのような錯覚や孤独感に陥ることがある。これは人間関係においてガスライターがよく用いる手口なのだそう。 もし、あなたもガスライティングを受けていると感じていたり、ガスライティングを見抜く方法を知っておきたいと思うなら、ぜひこのまま読み続けて。この記事では、ガスライティングとは一体何か、なぜ起きてしまうのか、自分がガスライティングの被害者だと気付いたときの対処法について、専門家が詳しく解説してくれた。 ※この記事はアメリカ版ウィメンズヘルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。
ガスライティングとは?
前述した通り、ガスライティングとは、相手の現実を疑うように仕向ける発言や行動のこと。そして、相手をコントロールしようとしたり、責任から逃れるために他人に責任を転嫁することがガスライターの目的だとか。 ガスライティングは精神的、身体的虐待関係にある恋愛でみられることが多いが、家族や友人、職場の人間関係でも起こり得る。職場の場合は特に、有色人種の女性が上司からのガスライティングの対象になりやすいとパテル氏は指摘している。例えば、上司が彼女たちの意見や仕事に対する訴え、経験などを軽視したりするなど。
ガスライティングの一般的な3つの事例
1. あなたのニーズを無視する どんな関係でも、お互いのニーズを満たし合うことが大切だが、ガスライティングされている場合、ガスライターはあなたがサポートやケアを求めることに対し、「求めすぎ」や「しつこい」と非難してくることがよくあるとチャン博士は言う。 職場においては、従業員が昇給を要求することに対して上司が「不当だ」と主張したり、休暇を取ろうとすれば、「そんなに休む必要があるのか?」と罪悪感を抱かせる形で現れることが多い。 2. 情報を与えない 「情報を与えない」とは、特定の会話をする理由を理解していないふりをしたり、会話自体を拒むこと。「これは一種の否定の形」であり、「大抵は他の話題に変えようとするでしょう」とパテル氏。 3. あなたを傷つけたことを否定する パテル氏いわく、あなたを傷つけたことを否定し、自分の行動に対する責任を取ろうとしないのは、ガスライティングの典型的な事例。「ほとんどの場合、彼らは他の誰かや何かのせいにしようとします」とパテル氏。例えば、「あなたの友人や家族が君を敵に回そうとしている」とか、「君は私を騙そうとしているんだ」などと主張する。