「人骨」を原料とした激ヤバ麻薬が蔓延、年間数百人が死亡し墓荒らしまで急増...
シエラレオネで「死の罠」にハマる人が続出...社会の混乱と医療資源の逼迫を理由に国家非常事態宣言が発令された
西アフリカのシエラレオネでは、人骨を原料とした合成麻薬「KUSH(クシュ)」が6年ほど前から蔓延している。【茜灯里(作家・科学ジャーナリスト)】 【動画】シエラレオネを襲う人骨混入麻薬 毎年推定数百人が死亡し、近年は墓荒らしも急増。ジュリウス・マーダ・ビオ大統領はKUSHを「死の罠」と呼び、社会の混乱と医療資源の逼迫を理由に今年4月に国家非常事態宣言を発令した。 KUSHはフェンタニル、トラマドール、ホルマリンなどを原料とする依存性が高い向精神薬だ。 なぜ人骨を含むのかは不明だが、同国内では「製造には人骨が必要」という噂が広まり、墓を掘り起こして遺体を盗む事件が増加している。現在、首都フリータウンの東部にある共同墓地には夜間に警察が配置されている。 このドラッグを常用すると手足が腫れ上がり、臓器不全や精神疾患を引き起こして死に至る。深刻なのは、1回分が約30円と安価なことから、とりわけ若者の間で急激に広がっていることだ。 背景には、コロナ禍の失職や仕事の機会自体の激減がある。BBCは「最近数カ月間では、フリータウンだけで数百人の若い男性がKUSHによる臓器不全で死亡している」という医師の言葉を報じている。 なお、日本でもクシュという名の危険ドラッグが出回っているが、多くは大麻の一種で人骨は含まれていないようだ。