【ホープフルS】能力は間違いなくGⅠ馬級 京大競馬研の本命はクロワデュノール
能力が試されるコース
本日、中山競馬場でホープフルS(GⅠ)が行われる。昨年は先日の有馬記念を制覇したレガレイラが大外一気で勝利し、その素質の高さを示す一戦だった。 【ホープフルステークス2024 推奨馬】素質ピカイチ!前走タイムはイクイノックス超え 複勝率100%該当で信頼度◎ (SPAIA) 今年も東スポ杯2歳S勝ち馬クロワデュノールをはじめ、アイビーS勝ち馬マスカレードボール、札幌2歳S勝ち馬マジックサンズなど多くの素質馬が集結。混戦模様の難解な一戦となった。 以下では、本レースが行われる中山芝2000mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。 まずは中山芝2000mのコース形態をみる。正面スタンド前の右端からスタートし、初角までの距離は約400m。スタート直後に急坂があり、1~2コーナー中間まで上り坂となっている。 そこから内回りコースを使用し、バックストレッチ途中までは下り坂。3~4コーナーにかけて平坦となっている。これを回り切ると中央4場の中で最短となる310mの最終直線。ゴール前に高低差2.4mの急坂がある。これが今回のコースレイアウトだ。 まず注目すべきは初角までの距離が約400mとそれなりに長い点と、スタート直後に急坂がある点だ。初角までの距離が長いコースは通常、序盤の争いが激化しやすいが、中山芝2000mはスタート直後の坂で最初のダッシュが付きにくく、ペースはそこまで上がらない。 またホープフルSは世代限定戦らしく、スローペースからの瞬発力戦を勝利してきた馬が多く集まるため、先行馬が揃っても序盤の先手争いはあまり激しくならない。 加えて、本レースの場合は短距離やマイル向きの馬が朝日杯FSへ流れるため、大幅距離延長の短距離馬やマイル向きの先行馬が例年少ない。これも本レースの序盤ゆったりとした流れを作る一因となっている。 1~2コーナーまで上り坂が続くため、ここでもペースは上がりにくい。一気にペースが上がるのは3コーナーに入ってからで、序盤、中盤で脚を溜めた先行勢が一気に加速していく。 コース形態としては、後方勢が直線に入るまでに先行勢とのポジション差を埋めにくい。しかし本レースに限れば、序盤~中盤の追走ペースが緩いため、3コーナー時点で馬群が凝集しており、そこまでポジション差がない。したがって後方勢が不利というわけではない。 特筆すべきは3コーナーからゴールまで、ラスト4~5Fのロングスパート戦になりやすい点。一瞬のキレ味よりも持続した末脚が求められる。 もちろん最後の直線が短いため、4角で前目に付けている方が有利ではある。しかし、それ以上にコーナーでの加速力を含め持続する末脚、ロングスパート戦で最後の急坂をものともせず伸び続けるタフさという、現時点でのポテンシャルの高さとレースセンスが要求される。 中山で長く脚を使うと、力のない馬は最後の急坂で一杯になり、止まってしまう。各馬の現時点でのポテンシャルの高さが試される。それが本コースの持つレースの質だ。 <ホープフルS 上がり3F6位以内馬の成績(過去10年)> 【8-7-9-37】勝率13.1%、連対率24.6%、複勝率39.3%、単勝回収率41%、複勝回収率102% この傾向は数字にも表れている。ホープフルSにおける上がり3F6位以内馬の成績は上記に示した通り優秀だ。馬券内30頭中24頭を上がり上位馬が占めており、中山のレースながら速い上がりを使えない先行馬の残り目はかなり少ない。急激にメンバーレベルが上がる中でも、速い上がりを使えるポテンシャルが好走の条件だ。 また複勝回収率に対して単勝回収率がかなり低いことからも分かるように、14年と22年を除き、既に能力が評価されて人気になった実力馬が順当に力を発揮して勝利している。 反対に現時点の能力で見劣りするが、内枠の残り目が期待されて人気になる先行馬は嫌いたい。 各馬の現時点でのポテンシャルを見極めた上で、順当に力を発揮できれば勝ち負けできる馬を中心に印を打っていく。