【ホープフルS】北村友一4年ぶりGⅠ制覇に号泣もクロワデュノールの課題を「答えられない」理由とは
[GⅠホープフルステークス=2024年12月28日(土曜)2歳、中山競馬場・芝内2000メートル] 28日、中山競馬場で行われたGⅠホープフルステークス(芝内2000メートル)は、クロワデュノール(牡・斉藤崇)が圧倒的な人気に応えて快勝した。勝ち時計は2分00秒5(良)。鞍上の北村友はけがを乗り越えて4年ぶりのGⅠ制覇を果たし、涙を流してファンや関係者に感謝を伝えたが、クロワデュノールの未来も明るい。レース後の取材から見えてきた絶対能力の高さと器の大きさとは―。
信頼が生んだ冷静な騎乗
完勝。無傷の3連勝。殊勲の北村友は「道中は思い通りではなかったですけど、馬を信じていたので、自分の競馬に徹して強い競馬ができました」と振り返った。 スタートを決めて好位に付けたものの、他馬がまくり上げるシーンもあり、「本当の意味でリラックスして走れるところというのは少なかったと思います」。しかし、鞍上は慌てない。絶対的な能力への信頼に加え、もともと「欠点がない」「総合得点が高い」と評価していた相棒を、冷静な手綱さばきで外に誘導。前を行く馬を軽々とのみ込んだ。
欠点を聞かれても答えられない
レース後のインタビューで「信じていた」という言葉を何度も発していた通り、今後についての信頼も揺るぎない。「課題もないです。距離が延びても欠点がない馬なので、(課題を聞かれても)答えられない」というのは決して虚勢などではなく、正直な胸の内だろう。 「皐月賞とダービーに行きたいと思っています。皐月賞と同じ舞台で勝てたのはすごく自信になりますし、胸を張って来年に向けて頑張っていける」と話したのは斉藤崇調教師。中でも印象的だったのは「まだ幼いところもあって、これから良くなる馬」という言葉だ。底を見せておらず、負け知らずなのにまだまだ上があると見込んでいる。これで皐月賞の行われる中山も、ダービーが行われる東京も経験済み。北村友も距離延長について心配を呈さないのだから、不安は限りなく少ない。連勝記録を伸ばすことが現実味を帯びてきた。