全国でおよそ849万戸 空き家問題どう防ぐ?解体現場に密着 【WBSクロス】
自治体も空き家対策に力を入れています。庁舎から出動するのは、東京・世田谷区の「空き家対策」専門チーム。世田谷区はおよそ5万戸と、全国で一番空き家が多いのです。 「空き家対策」専門チームが向かった先は、区内にある所有者が分からない空き家の調査です。 「亀裂が入っているのが2カ所」(世田谷区 建築安全課の千葉妙子さん) 確認すると2階のベランダ部分に亀裂がありました。現状を写真に撮って記録します。調査の途中、隣の家に住む女性が出てきました。 「もう最近、住人を見かけていない?」(千葉さん) 「全然来ない」(隣人) 約10年前に60代くらいの女性が出入りしているのを見かけたのが最後だといいます。 「隣は一人暮らしだった。行き来は私も隣同士でやっていた」(隣人) 誰が空き家を所有しているのか。区役所では所有者を突き止める作業も進んでいます。職員が作っているのは家系図です。 空き家の所有者が亡くなっても、登記簿で相続の登録がないケースが多く、実際に戸籍を取り寄せ、数カ月かけて相続人を割り出す作業を行っているのです。 「祖父の世代が空き家を持っていて孫の世代まで相続が発生すると、相続人が10人以上いるケースもある。時間がかかるので大変」(世田谷区 建築安全課の羽田陽さん) 世田谷区の空き家対策専門チームは5人で、作業はなかなか追いつかないといいます。 「空き家になる前に自分の実家はどうするのか。決めておくのが普通になる世の中になるべき」(千葉さん) ※ワールドビジネスサテライト