<紡ぐ思い・センバツ2021北海>選手紹介/下 宮下朝陽主将 プレーで引っ張る /北海道
◇宮下朝陽(あさひ)主将 小学2年生の時、札幌ドームで北海道日本ハムの試合を観戦したことが野球を始めるきっかけだった。グラウンドの選手に向けた拍手や歓声は心に残っている。現在はチームのけん引役に成長。「大きな目標は優勝。そのために目の前の勝利をつかみたい」という決意表明には、4番・主将としての責任感がにじみ出る。 黒松内町出身。地元の少年野球チーム、黒松内スターズで指導した鈴木直樹監督(52)は「投げることや打つことの覚えは早かった。練習はランニングや筋力トレーニングなど上の世代でも通用するように厳しくしました」と振り返る。そのかいあって中学では余市リトルシニアで全国大会にも出場。「北海は練習の厳しさから自分を成長させてくれる場所として進学を決めました」 強肩・強打の大型内野手として、1年夏から4番を任された。身長182センチ。昨秋の大会で75キロだった体重は81キロに増え、パワーアップ。スピードとの両立を目指す。冬場はバットの芯でボールを捉えるため、竹バットを使い、ミート力の向上にも取り組んだ。手元までボールを見極めるため、打席でのステップ幅を変えるなど試行錯誤を続け、向上心は人一倍だ。 昨秋の大会は全9試合にフル出場し、打率5割5分9厘、3本塁打、17打点はいずれもチームトップ。道内選手は過去のセンバツで20本塁打を記録しており、開幕第1号も期待されるが「狙っても打てないので、ヒットの延長で結果が残ればいい。まずは単打。結果としてホームランを打つことができればいい」と、まずはチームの勝利を優先する。 主将は初めての経験だ。個性あふれる仲間たちを一つにまとめる難しさもあるが、「プレーで引っ張ることしかできない。優勝できる力があると信じて、木村(大成投手)を中心に守り勝ちたい」と意気込む。 今年の正月、黒松内に帰省し、練習の合間に黒松内スターズの練習を手伝ったという。チームは部員が減少。9人そろわず、合同チームでの大会出場になっており、鈴木さんは「朝陽にはヒット1本でも打ってほしい」と、甲子園での活躍が後輩たちの希望となることを願っている。【三沢邦彦】 ……………………………………………………………………………………………………… ◇道内チームのセンバツ本塁打 大会 選手名 校名 (1)第26回 堀田薫 北海 (2)第34回 木村博光 北海 (3)第35回 佐々木正 北海 (4) 吉沢勝 北海 (5)第47回 阿部晋一郎 札幌商 (6)第57回 斉藤知也 駒大岩見沢 (7)第60回 西中紀和 北海 (8) 林修二 函館有斗 (9) 山田和弘 北海 (10)第61回 神保英士 苫小牧工 (11)第65回 本田充 駒大岩見沢 (12) 新谷朋之 駒大岩見沢 (13)第66回 広瀬裕章 滝川西 (14)第67回 柴田慎司 北海 (15)第70回 西下明夫 北照 (16)第74回 成田和功 札幌日大 (17)第75回 桑島優 駒大苫小牧 (18)第82回 又野知弥 北照 (19)第83回 川越誠司 北海 (20)第91回 北本壮一朗 札幌大谷 ※第1号の北海・堀田薫さんは個人賞の本塁打賞を獲得。道勢は夏の選手権では44本塁打。第1号は北海・小林駒次郎さんで右中間へのランニング本塁打だった。校名は当時。