懐かしの1970年代ポップカルチャーの象徴! 元祖「デューンバギー」が約568万円で落札…オリジナルを保ったメイヤーズ「マンクス」でした
一夜で約350台の注文が舞い込んだ
メイヤーズは1967年、マンクスを駆ってメキシコで開催された世界最高峰のオフロードレース、「バハ1000」において、それまで最速だったモーターサイクルの記録を更新し、大きな評判を獲得する。そして、バハ記録を樹立して1週間も経たないうちに、メイヤーズのマンクスは『カー・アンド・ドライバー』誌1967年4月号の表紙を飾り、ほぼ一夜にして同社には約350台の注文が舞い込むことになった。 さらに1968年、ハリウッドの世界的スーパースター、スティーヴ・マックイーンが映画『華麗なる賭け』で使用するために、マックイーン自身のデザインで改造されたカスタムメイドのメイヤーズ マンクスをフルオーダーしたことにより、メイヤーズ マンクスの歴史におけるもうひとつの重要なマイルストーンが訪れることになった。 VW空冷フラット4に代えて、シボレー「コルべア」用の空冷フラット6を搭載したマックイーンのメイヤーズ マンクスに、フェイ・ダナウェイを乗せてビーチを疾走するシーンは、この映画の数ある忘れがたいシーンのひとつとなったのだ。
サーフボードは別売り? 約570万円で落札
メイヤーズ マンクスを購入・製作したレーサーたちは当時のデザート(砂丘)レースを席巻し、当初から記録を塗り替えてゆく。また、メイヤーズの退社に伴う税金問題で会社が消滅するまでは、ストリート向けモデルのひな型ともなっていた。 ところが、メイヤーズ マンクスのコピー商品が粗製乱造されたこと、さらにデューンバギーのブームは長く続かなかったこともあり、メイヤーズ・マンクス社は1971年にいったん歴史から姿を消してしまう。 しかし、オリジナルのマンクス・バギーにインスパイアされた新しい車両は、ブルース・メイヤーズが自ら再建した新生「メイヤーズ・マンクス」社によって2000年から生産されている。最新の製品は「メイヤーズ・マンクス 2.0 エレクトリック」と命名され、その名のとおりBEVとなっている。 いっぽうこの2024年9月、ボナムズ社の「Goodwood Revival Collectors' Motor Cars and Automobilia 2024」オークションに出品されたこの車両は、いわゆる「当時モノ」のメイヤーズ マンクス デューンバギーと思われる。 実際、この車両は当時のオリジナルにきわめて忠実で、少なくとも描き込まれたブルース・メイヤーズのサインは本物と判定されている。