インハイ予選準々決勝敗退、リーグ戦で不調も…草津東はMF上原周主将を中心に「聞く耳を持つこと」で変化
[11.9 選手権滋賀県予選決勝 近江高 0-3 草津東高 皇子山] 「聞く耳を持つ」ことでチームを変えた。草津東高は、前回大会全国2位の近江高を破って3年ぶりの選手権出場。プリンスリーグ関西1部に所属する相手に対し、3-0と快勝を収めた。インターハイ予選や県1部リーグでの反省から自分たちで変えてきたことが、結果に結びついている。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 草津東はインターハイ予選準々決勝で、県2部リーグの八幡商高に0-1で敗戦。9月の県1部リーグでも結果が出なかった。MF上原周主将(3年=MIOびわこ滋賀U-15出身)は、「(みんな)俺が、俺がってなってしまってた部分があって、『このままじゃヤバい』って思って」ミーティングの回数を増やすなど色々なことに取り組んだという。 中でも上原が強調したことが「人を知ること」「聞く耳を持つこと」だ。「(9月からの)この2か月間で『もっと中身を知ろう』っていう自分の中になりまして。インターハイの時に負けてしまった原因で、我が強すぎて、1人1人が自分を出しすぎてしまうっていう面があった」と振り返る。 そして、「僕もチーム1人1人の性格とかそういう面について知ってたつもりなんですけど、もっと知ろうと」より知ることを意識。加えて、「(我が強い選手たちが、)自分が思ってることを言うのはいいけど、『もっと聞く耳を持とう』っていう面で、もっと1人1人が要求し合うっていう面で、聞く耳持ちながら自分の言いたいことは言っていいから、そういう面を大切にしていこうっていう話をしていました」。それによって変わったことがある。 これまではチーム内の会話が一方的になっていたが、「俺はこうしてほしい」「だけど、俺はこうやねん」「俺はこういう方がいいと思う」というように、「掛け合いのある会話ができるようになった」(上原)。この日も各選手が仲間の意見に聞く耳を持ちながらプレー。我慢の時間帯もあったが、声を掛け合いながら戦い抜いた。 より上を目指す主将は、ハーフタイムではなく、チームが試合中に改善する力を身に付けさせようとしている。「強いチームっていうのは試合中に色々なことを改善できることがあると思うんで、そういう面を中で引き出せるように、僕が中心となってやれるように気を付けています」。上原はこの日、「僕らの2人の活躍がチームの鍵になる」と共有しているというMF河崎暖希(3年)とのダブルボランチで近江高の攻撃を封鎖。ゲームメーカーでもある主将は、よりチームを成長させて選手権を迎える意気込みだ。 過去2年、同じピッチで開催された選手権予選決勝で近江に敗戦。借りを返せたことを喜んだ一方、近江戦はあくまで全国制覇への道のりの「途中にある試練」という位置づけだ。この日一人ひとりが発揮した相手よりも走ること、気持ちで負けないことにもよりこだわって、チームを成長させて選手権で昨年の近江以上に輝く。