プライベートクレジット、高金利の影響表面化の懸念-新たな機会にも
(ブルームバーグ): プライベートクレジット運用会社は、高金利の長期化によって一部の企業が債務負担に苦しむことになり、米企業の間でストレスが高まると予想している。
金融業界の有力者たちは今週、年次ミルケン研究所グローバルカンファレンスのためにビバリーヒルズに集まった。米連邦準備制度理事会(FRB)が、景気動向次第で政策金利が高止まりすることを示唆した数日後だった。
パネル討論会や非公開の会議では、低金利時代に借金を重ねた借り手の流動性問題が、融資期間延長や利息の支払い繰り延べといった貸し付け条件の変更によって覆い隠されていることへの懸念が表明された。
昨年にこのような修正が急増したため、これまでのところデフォルト率は低く抑えられているが、これは金利が低下するまでの時間稼ぎだった。しかし利下げ見通しは今や遠のいた。
また、2019-22年にかけて行われた投資は、金利が長期にわたって低水準で推移することを想定した高レバレッジ投資だったため、隠れたひずみが残っている。
TCWグループのケイティ・コッチ最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、現在の状態は「永遠には続かない。いずれデフォルト率は上昇するだろう」と語った。
多くの借り手はまだ収益を伸ばしており、金利上昇を吸収しているが、弱小企業の苦闘は1兆7000億ドル(約265兆円)規模に成長したプライベートクレジット市場にとって最初の本物の試練となるかもしれない。この資金の多くは、15年以上前の金融危機後に運用を開始したファンドが調達したものだ。
ブルー・アウル・キャピタルのマーク・リプシュルツCEOによれば、景気後退は近年にプライベートクレジットに参入した一部の投資家にとって、明暗を分けるポイントになる可能性がある。
「一部の運用会社は弱小だったことが分かりシステムから振り落とされるだろう」と同氏は述べた。
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