プライベートクレジット、高金利の影響表面化の懸念-新たな機会にも
しかし、流動性に行き詰まった借り手に救済タイプの融資を提供することで、ダイレクトレンディングやレバレッジドローン市場の動揺から利益を得ようと準備している企業もある。
オークツリー・キャピタル・マネジメントはマルチアセット・クレジット・ポートフォリオで、公募で組成されたシンジケートローンへのエクスポージャーを減らし、ローン担保証券(CLO)と現金にシフトしている。同社はプライベートクレジット事業を通じて、流動性を必要とする企業への救済ファイナンスを増やそうとしている。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントやアレス・マネジメントも、いわゆるハイブリッドキャピタルを提供する専用ファンドを持っている。このようなファイナンシングは、既存の優先債務と普通株式の中間に位置するような仕組みになっており、借り手は追加の借り入れで調達した資金を、既存債務の返済や利支払いの一部に充てることができる。
オークツリーのポートフォリオマネジャー、ダニエル・ポリ氏は、満期を前にして債務を返済できない可能性が出ている企業について「ひどいことになるだろう」と述べ、これらの借り手企業の多くは過剰なレバレッジを抱えていると指摘した。
TDカウエンのジェフリー・ソロモン社長は、こうした企業に投資している「スポンサー企業は、投資先企業から手を引く前に、より高いバリュエーションが得られるまで待つ用意がある」と指摘。「この市場には、エクイティーを大きくするような債務再編の方法に通じた経験豊富な人間がたくさんいる」と述べた。
原題:Private Credit Stress Brings Anxiety, Opportunity to Milken (1)(抜粋)
--取材協力:John Sage、Silla Brush、Jill R Shah.
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Paula Seligson, Davide Scigliuzzo