尾身茂氏「パンデミックがまた来ることは想定していた方がいい」 新型コロナウイルス発生から5年【風をよむ・サンデーモーニング】
実際、人々の免疫力低下を裏付けるように、この冬、新型コロナの感染者は増加傾向。 インフルエンザや、マイコプラズマ肺炎の感染も増加。 大きな問題となっているのが「薬不足」です。 薬剤師 小林和正さん 「咳止めは、ひと月あたり大体100人から200人分ぐらいは足りないな、というような印象です」 この薬局では1ヶ月近く待っても入荷されない薬まであるといいます。 ■“普通の生活”再始動も「ウイルスは変化し続ける」 日本社会を揺るがした新型コロナは2023年春、季節性インフルエンザと同じ5類感染症に分類されました。 マスクも個人の判断に委ねるとされ、2024年4月には治療薬などの公費支援も終了、コロナは一見収束したかに見えます。 尾身茂 理事長 「収束というか、ウイルスがなくなったわけじゃないんですね。医学的にはまだ残ってるけど、医学でゼロにすることはできないから、一定程度の段階になったら、社会を動かすところに舵を切るということが、ゴールになったということだと思います。 社会を動かさないと社会が駄目になる。そろそろ、この病気(新型コロナ)を恐ろしい病気というふうに考えなくて、『普通の生活をするぞ』『戻そう』という、これは『社会の要請』があったと思います」 社会の要請に基づいて再び始まった普通の生活。 しかし尾身さんは、未だ予断は許さないと語ります。 尾身茂 理事長 「普通の病気になったかどうかを判断するには、今の『致死率』『伝播力』ともう一つ『医療への負荷』というトータルで考えないと、この病気が普通かどうか(分からない)。 今のコロナ、ずいぶん致死率が低くなってるけども、感染伝播力は半端じゃない。しかもウイルスが変化し続けているわけです」 ■「パンデミックがまた来ることは想定していた方がいい」 そうした中、新たな感染症の脅威が報じられました。 アフリカ・コンゴ民主共和国。10月以降、原因不明の病気が広がり、若者を中心に79人が死亡。 インフルエンザに似た症状が出ているとされ、病原体の特定が急がれています。