田んぼで死亡の男性「棒状のとがったものが心臓に達す」シカの角の可能性高く 福知山市は捕獲おりなど対策へ
京都府福知山市下天津の囲いがされた田んぼで9日に見つかった男性(68)の遺体について、福知山署は11日、司法解剖の結果、死因は棒状のようなとがった物が刺さり心臓部分まで達したことによって起きた「心タンポナーデ」と判明した、と発表した。 男性の推定死亡時刻は9日午後6時30分ごろ。遺体が発見された同8時10分ごろの田んぼには雄のシカ1頭がいて、シカに角で刺された可能性が高く、事件性は低いとみている。 事故を受けて福知山市は11日夕、シカ対策として現場近くに捕獲用おり1台を置き、付近に行動確認用の赤外線センサーカメラ3台を設置した。 捕獲用おりは、高さ、横幅が1メートル、奥行き2メートルの箱わなで、牧の市家畜市場に保管されていたもの。 同日午後6時ごろ、市の農林業振興課の職員5人が下天津の現場に運び込み、山裾の獣道のそばに置いた。12日中に、市から許可を受けている駆除隊員が訪れ、わなを仕掛けるという。 また、動作に反応して録画を開始するセンサーカメラも設置。おりの入り口近くに1台、付近の獣道の監視用に2台、計3台を設置した。カメラはシカの活動が活発になる午後6時~午前6時に稼働する。わなの設置期間は1カ月ほどを予定しているという。 市は、防災アプリ、府の防災・防犯情報メールを通じて、市民に注意喚起を行っていて、市農林業振興課は「シカは基本的に草食で、狂暴化しているという話は聞いたことはありませんが、発情期で雄のシカの気性が荒くなっている場合もあります。野生の動物を見掛けた際は近づかないようにしてほしい」と呼びかけている。 このほか、福知山猟友会(下元照男会長)が11日から現場周辺でのパトロールに取り組んでいて、1週間ほど予定している。