QRコード決済、「公共交通」で普及しない理由とは?進化する決済環境、解決策は「海外との連携」か
公共交通への壁
PayPayや楽天ペイなどのコード決済は、日本の消費者にとって一般的な支払い手段になりつつある。コード決済とは、スマートフォンアプリを使い、QRコードやバーコードで認証して支払う「スマートフォン決済」の一形態だ。 【画像】「えぇぇぇ!」 これがPayPay連携の「海外決済サービス」です! 現在、多くの小売店でコード決済の利用環境が整備されているが、公共交通では普及が進んでいない。コード決済特有の仕組みが、公共交通での利便性を妨げているのが現状だ。 それでも、コード決済はクレジットカードに匹敵する有力な決済手段になる可能性を秘めている。そのカギを握るのは、 「海外サービスとの連携」 だ。
コード決済の乱立問題と解決策
日本ではコード決済が急速に普及しており、運賃支払いに導入する交通事業者も増加している。しかし、普及にともない、 「複数ブランドの乱立」 という問題も浮き彫りになっている。例えば、コード決済Aのアプリでコード決済BのQRコードを読み取ることはできないという現状だ。このため、最近では各社が共通のQRコードを導入しようとする取り組みも進んでいる。 さらに、海外のQRコード決済事業者との連携が進んでいる。10月には、PayPayが台湾のコード決済サービスである ・iPASS MONEY ・Plus Pay ・icash Pay との連携を発表した。これにより、すでに提携している台湾の3社と合わせて、約2300万人以上の台湾コード決済ユーザーがPayPay加盟店を利用できるようになる。 ユーザーは、店舗側のQRコードをスマートフォンで読み取る「ユーザースキャン方式」や、店舗側の機器でユーザーが提示したコードを読み取る「ストアスキャン方式」の両方に対応する。
訪日外国人消費とQR決済
現在、PayPayは11の国・地域で21のサービスと連携している。その多くは東アジアや東南アジアのサービスだが、イタリアのTinabaやモンゴルのHipayなども含まれている。 また、2024年4月から6月の訪日外国人旅行消費額によると、台湾は3位にランクインしている。これらを踏まえると、QRコード決済はインバウンド産業にとって非常に有利な決済手段といえる。 インバウンドにとっては、普段使っているコード決済アプリで日本の電車やバスを利用できることは大きな利便性を提供するからだ。 しかし、懸念点も存在する。 コード決済は交通系ICカードやクレジットカードと比較して、 「スマートフォンを取り出してアプリを立ち上げる」 という手間が生じるため、利便性が損なわれる可能性がある。これは店舗での買い物では問題ないが、電車やバスの乗車時には不便さが目立つ。非接触決済対応のカードのように、認識パッドにかざしてそのまま乗車することができないため、利便性の向上が求められる。