「職場の人間関係に悪影響が」「スキマバイトは『20時間の壁』の抜け道」 年金制度改革で主婦を“直撃”する影響とは
働く側のメリットは
すでにスキマバイトが活用されている例としては、 「清掃の現場で使われているのを知っています。他には、葬祭業でスポットバイト的に働いている事例もあります。葬儀がある時は人数が必要ですが、それ以外の時にはそれほど人員は必要ないですからね」(横山氏) こういった抜け道を使わずに同一企業で週20時間以上働き、社会保険料を払うことになれば負担増となるが、働く側にとっては当然、メリットもある。 「月給11万円、年収132万円で働いた場合、老後の厚生年金は年あたり約7200円増えます」 年金問題研究会代表で1級DCプランナーの秋津和人氏はそう語る。 「健康保険にも加入するので傷病手当金が受給でき、出産手当金ももらえます。また、障害年金に厚生年金分が加算されますし、基礎年金は障害等級が1級と2級の方のみ支給される一方、厚生年金では3級でも受給できます。厚生年金に加入すると今の手取りが減ることから、心理的に抵抗は大きいと思いますが、メリットを意識することも重要だと思います」 厚労省もこうしたメリットを強調するが、それは無論、保険料を払う人を一人でも増やしたいからである。 後編【「主婦からすれば“もうやってられない”」 “主婦年金”が廃止されるとどうなる? 年金制度改革があなたの家庭に与える影響】では、廃止の声が高まる“主婦年金”の問題などについて報じている。
「週刊新潮」2024年12月26日号 掲載
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